広島市東区牛田東3丁目には、日本で唯一のチベット仏教の僧院がある。
http://www.mmba.jp/zurde/access
細々とではあるが、チベット仏教は広島を一つの拠点として日本に紹介されている。しかし、これもまた市民にはほとんど知られていない。
当の広島県は「中国政府の人権に関する問題など外交に関する事項については,国の専管事項であり、コメントする立場にない」と回答している。
では政府はどうだろうか。声を上げることができるだろうか?
政府要人には、早くから問題に着目し、活動を行ってきた人もいる。先月 WEDGE Infinity に、チベット亡命政権から野田首相に親書が渡っているという記事が掲載され、折しも、3月10日のチベット民族蜂起記念日が来週に迫っている。中共がこれを口実に省内のチベット人を逮捕、殺害する事態が心配される。
ようやく政府の人となり、政治思想を国政に反映できるようになった、牧野聖修経済産業副大臣に、記事の事実関係を含め、時を移さず、問い合わせを行なった。
ホームページの表紙には、ダライ・ラマとの握手の写真。
http://www.seishu.org/
今回は基本的な2つの質問だけをぶつけてみた。回答によっては第二第三のメールを用意する。
以下、全文
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牧野 聖修 様
不躾に突然メールを差し上げますことをお許しください。私は広島市に住む一市民で × × と申します。
組織・団体とは関係なく個人の資格でこのメールを認めております。
チベットに関するご著書『ダライ・ラマの微笑』を拝読いたしました。ご著書を通し、日本の国会議員の中でいち早く、チベットの人権問題に関心を寄せ取り組んでこられた様子を垣間見させていただきました。政府が抱える問題についても、短いながら明瞭に指摘されています。
政府内だけでなく議員の中でもひときわ真摯な、付け焼き刃ではない取り組みをされてこられたことに敬意と信頼を寄せております。
さて、先月、2012年02月24日、WEDGE Infinity(WEDGE web版)に有本香さんによる「チベット亡命政権から野田総理への親書」と題する記事が掲載されました。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1726?page=1
この記事は、掲載から一週間経った今も注目を集め WEDGE Infinity で、記事アクセスランキングの1位になっています。
多くの人々が関心を寄せるのは、この記事に書かれていることが真実であれば看過できないものがあると考えるからであると思います。
二点、質問にご回答いただけたら幸いです。
1. 有本香さんが公表した野田総理宛の親書はほんとうに存在し、野田総理に届けられていますか。
2. 1 の答えが Yes であるとの前提の上で、今後、政府は何らかのアクションを起こすことを予定していますか。
牧野副大臣に対してこの質問をお送りするのは、右の通り、日本の政治家の中でもっとも深くチベットを理解され、現在は野党の国会議員ではなく、政府側の、それも副大臣の要職に就かれ、野田総理にも近く、日本政府の情報発信に影響力を発揮できる立場になっていらっしゃるからです。よって、他のどなたにも同じ質問をする意味を認めません。
ラクパ・ツォコ氏が書いたとされる親書は「閣下におかれましては、ジュネーブで開かれる国連人権委員会にて、チベットの問題への関心を表明してくださいますよう、お願い申し上げます」という一文で締め括られています。
副大臣は、1994年12月ダラムサラにおける「国連の人権委員会で、チベット支援の協力をして欲しい」との要請に対し「道はまだ遠いと感じ、努力するという返事にとどめた」と記していらっしゃいます。
こう続いています。
「テンジンさんが別れ際に言った。『多くの人がこのダラムサラに来て視察をし、私たちを励ましてくれる。それは本当にありがたいことです。でもダラムサラを離れ、本国に戻るとすぐに私たちのことを忘れてしまう人が多い。ミスター牧野は私たちのことを絶対忘れないで欲しい』と涙ながらに言った。」
ー『ダライ・ラマの微笑』51ページ
3月10日が近づいており、チベット側に独立の意思がなくても、中共はこれを口実に圧力を強め、犠牲者が増える可能性が高いのではないかと危惧しております。
以上2点につき、どうかお返事をいただけますよう重ねてお願い申し上げます。
住所
氏名
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