総領事館に話を戻そう。
おさらいになるが、
1984年 広島県 / 四川省
1986年 広島市 / 重慶市
1990年 庄原市 / 四川省 綿陽市
1992年 三次市 / 四川省 雅安市雨城区
1993年 東広島市 / 四川省 徳陽市
2001年 大竹市 / 四川省 都江堰市
が、それぞれ姉妹都市提携を結んだことはすでに述べた。
このような全県を挙げた友好ムードのさなか、
1998年に県は、広島市、広島商工会議所と共同で 広島県国際機関誘致連絡会議 を設置。以来、領事館誘致の猛烈なアピールを行なってきた。
(役所が公表している資料の中には誘致連絡会議の設置を1999年とするものもあるが、以下の通り要望書の提出は1998年から始まっている)
広島県国際機関誘致連絡会議の取り組み状況
1998(平成10)年4月から2008(平成20)年2月まで(公表分)
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平成 10 年 4月 中華人民共和国大使館,外務省,中華人民共和国外交部等へ要望書提出
平成 10 年 5月 駐日中華人民共和国大使,外務事務次官へ要望
平成 10 年 7月 中日友好協会(北京)へ要望書提出
平成 10 年 9月 中日友好協会会長,中国人民対外友好協会会長へ要望
平成 10 年 11 月 中華人民共和国外交部,中日友好協会,中国人民対外友好協会(北京)へ要望
平成 11 年 6月 中国国際交流協会副会長へ要望
平成 11 年 7月 中日友好協会会長へ要望
平成 11 年 11 月 中華人民共和国外交部,中国共産党中央対外連絡部,中国人民対外友好協会等へ要望書提出
平成 12 年 1月 中日友好協会副会長へ要望
平成 12 年 9月 中華人民共和国外交部(北京)へ要望
平成 12 年 11 月 駐日中華人民共和国大使へ要望
平成 13 年 5月 中日友好協会(北京)へ要望
平成 13 年 11 月 駐日中華人民共和国大使へ要望
平成 14 年 10 月 中華人民共和国外交部,中日友好協会等へ要望
平成 14 年 11 月 駐日中華人民共和国大使へ要望,中華人民共和国大使館へ要望書提出
平成 15 年 3月 駐日中華人民共和国大使館参事官兼総領事へ要望
平成 15 年 8月 中華人民共和国外交部,中国共産党中央対外連絡部,中国人民対外友好協会等へ要望書提出
平成 16 年 1月 中華人民共和国駐大阪総領事へ要望
平成 16 年 10 月 中華人民共和国外交部,中国共産党中央対外連絡部,中日友好協会,中国国際 交流協会,中国人民対外友好協会へ要望
平成 16 年 12 月 駐日中華人民共和国大使へ要望
平成 17 年4月 中華人民共和国外交部,中国共産党中央対外連絡部へ要望
平成 18 年8月 中華人民共和国国務委員,外交部,駐日中華人民共和国大使へ要望書提出
平成 19 年7月 中華人民共和国外交部,中国日本友好協会,中国国際交流協会へ要望書提出
平成 19 年11月 知事が駐日大使に面会し要望
平成 20 年2月 中華人民共和国外交部へ要望書提出
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広島の猛烈なアピールが続く中、
2005(平成17)年には名古屋に総領事館が設置される。
後日詳しく述べるが、これは重慶出張駐在官事務所の、重慶総領事館への格上げに伴い開設されたものだ。
つまり広島は、姉妹都市である重慶に総領事館が設置された時、その意思を示しながら、名古屋に総領事館を持っていかれてしまった経緯がある。
2007(平成19)年7月の要望書は全文が公開されている。
在広島中国総領事館への熱い思いと、なみなみならぬ決意が窺える。
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要 望 書
(広島市への総領事館の設置について)
2007年7月26日
広島県
広島市
広島商工会議所
広島県日中友好協会
広島県日中親善協会
平素から,広島県と中華人民共和国との友好関係の発展にはひとかたならぬ御高配を賜り,厚くお礼を申し上げます。
さて,本県と貴国との間には,文化,教育,経済等を通じた幅広い交流の歴史があります。とりわけ,1984年9月には広島県と四川省が,1986年10月には広島市と重慶市がそれぞれ友好提携を締結し,様々な交流事業を行っているところです。
こうした中,年間12万5千人が広島と中国とを結ぶ航空路線を利用されるとともに,貴国から4万3千人の観光客が本県にお越しになっております。また,本県には留学生など1万人を超える貴国の方々が生活されております。
その数も年々増加しており,将来に向けて更に緊密な関係が構築されていくものと確信しております。
また,本県に拠点を有する企業は,古くから積極的に海外との取引を行っている企業が多く,貴国には,既に137の企業が212の事業所を設けており,更に多くの企業が貴国企業とのビジネスに関心を持っていることから,今後とも,経済分野における交流の拡大が見込まれています。
これらの企業の動きを加速するため,本県では,空港や港湾などの交通・輸送基盤の整備を進めるとともに,本県と貴国を結ぶ航空路線やコンテナ航路の拡充に努め,さらに,貴国への進出希望企業の相談窓口を上海に設けるなど,一層の経済交流の促進に取り組んでおります。
また,本県は中国・四国地方の中央に位置し,従前からこの地域の政治,経済の中心的な役割を果たすとともに,本県と四国を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」の開通により,本県の拠点性は一段と高まっています。
このような状況から,国際平和都市であり,知名度も高い広島市に貴国の総領事館が設置されれば,貴国との友好関係が一層深まるとともに,実務的な交流も強固になるものと考えております。
つきましては,このことについて特段の御高配を賜りますよう 重ねてお願い申し上げます。
2007年7月26日
広島県知事 藤田 雄山
広島県議会議長 林 正夫
広島市長 秋葉 忠利
広島市議会議長 藤田 博之
広島商工会議所会頭 宇田 誠
広島県日中友好協会会長 古田 敬一
広島県日中親善協会会長 篠原 康次郎
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http://hiroshima-ic.or.jp/china/shisen/souryoujikan.html
2008(平成20)年以降現在まで、広島の熱烈な求愛は続いていくが、ここでは割愛する。
沖縄に総領事館を設置したい旨、中国から申し入れがあるのは右の要望書を提出した翌年、2008年の年末。
2009年3月、外務省が沖縄総領事館を拒否、沖縄の代わりに、在青島(チンタオ)日本総領事館に対応する中国側総領事館設置先に新潟が提起され、
2010年6月 新潟総領事館が実現した。
これと前後して2009年、県知事に湯崎英彦、2011年、広島市長に松井一實が就任、以来、県と市の対話は、藤田-秋葉体制よりもずっと円滑に行なわれるようになった。これは多くの広島市民の耳に届くところとなっている。
2011年8月の、県知事、副市長の重慶訪問と申し入れは、県知事と市長の両方の首が変わっても、総領事館誘致の方針が揺るぎないことを内外に示した。今後は盤石の誘致活動に拍車がかかることが予想される。
現在、
日本には 札幌、大阪、福岡、長崎、名古屋、新潟に総領事館が、
中国には 瀋陽、上海、広州、香港、重慶、青島に総領事館が、そして大連に 在瀋陽日本国総領事館大連出張駐在官事務所 がある。
仙台とともに、在瀋陽日本国総領事館大連出張駐在官事務所の、大連”総領事館”昇格と引き換えに、誘致を熱望しているというのが現状である。