5 .価格&サービス&信頼のバランスプロモーション

「人は同じ商品であれば最も安いところで購入する」という公式がすべてに当てはまるわけではない。そこには、サービスが絡んでくる。例えば、在庫の有無、配達スピード、時間指定の有無、丁寧さ、包装指定の有無、返品交換/返金保証の有無や期限などがある。また、もっと細かい条件では、靴のサイズが合わないとき変えてもらえるか?とか、売り手側で個別に実測しており、狂いはほぼ生じないなども絡んでくる。さらには、信頼、例えば、これまでの裏切られていない経験、返品やトラブル時の対応、電話の対応などを無意識の中で比較し、かつその時の自分の忙しさや気分と心理的サイフを秤にかけて行動すると考えることができる。
ここで言う、心理的サイフとは(造語ではありません)、例えば一般的な男性であれば、夜の飲み会に10000円を使っても惜しいとは思わないが、妻が10000円のブラウスを買う気持ちが理解できない。女性側からすれば逆。こういう人によって支出する金額と満足度の大きさが心理的に異なることをいう。
このように、価格&サービス&信頼のバランスに対して、マッチした顧客がそこで購入するのである。そのどこに強みを持たせるか、重みを置くかは戦略でもある。
そのことから、プロモーションにおいても商品やサービスになかで他にはない「こだわっている部分」たとえば、個品検品、実採寸の実施、入荷時個品検品や、その結果生じる「評価や成果」たとえば高リピート率、低返品率なども意識的にミックスさせながらプロモーションしていくことになろう。

ただ、用心しなくてはならないのは、NB(ナショナルブランド商品)においては、大手のダイレクトマーケティング企業(例えばアマゾンコム)であれば、低価格でありながら、サービスと信頼を向上させることは、可能であり、このバランスプロモーションは、汎用品ではなく、主にオリジナル商品やPBブランドでの領域で考えていくことになるであろう。

6 .クロスド細分化カテゴリ

サイトで商品にたどり着くためには、「ダイレクトに検索してたどり着く」か、もしくは、「カテゴリをクリックして細分化されてカテゴリの最後に期待している商品にたどり着く」ように設計しておく必要があるのは今更言うまでもないことである。
目的買いと非目的買い(衝動買いも含む)によって、この意味は異なるのも言うまでもない。目的買いの人は大枠カテゴリ+検索BOXがあればそれで十分である。
非衝動買いの場合で、さらに衣料品など名前で検索するのではなく、商品の写真を見ながら絞り込んでいくような買い方の場合は、すこし複雑になってくる。
なぜなら、バッグというカテゴリしかなく、そこをクリックすると何ページにもわたって閲覧していなかければならないとすると、利用者はすぐに見るのをあきらめてしまうことは明かである。普通は、より細分化したカテゴリ分けを利用者は期待している。メンズなのかレディスなのか共用なのか、は当然であるが、意外に、この次の心理はショルダー、トート、ウェスト、ハンド、ボストン、パーティバックといった商品種類に一気に飛んだりする。しかし、それとは別に、ブランド、生地、価格帯、ビジネス/フォーマル/カジュアル/アウトドア/素材といった横串ともいうべき、カテゴリもクロスミックスさせて欲しい人もいるであろう。
これは、その商品に対する知識や選択の絞り込み段階の心理により、期待するカテゴリは異なるからである。
そういう意味でこのカテゴリは一本の体系ではなく、クロスしたカテゴリであることになるが、それでもそれをどこから見せるか順序がすこし難しい。ただ、これまでの多くのネット購入者の購買行動や利用経験からして、カテゴリはすでに、楽天やYahooオークションなどが利用者心理上は標準となっているであろう。これに今後はクロスカテゴリが加えられていく必要がある。
ただ、ここで問題になるのは、楽天やyahoo!オークションやアマゾンコムのように膨大な品揃えをしているところは問題ないが、品揃えが少ないショップでは、カテゴリを分けて検索させても、そのカテゴリに1商品しかないといった現象が生じるため、ある程度広いカテゴリでくくっているところが見られる。しかし、これは大きな間違いであると考える。
こういうところでは、商品が少ないことを逆手にとるべきである。
つまり、例えばサイトにて、こう宣言する。「当サイトは1カテゴリのなかから「これは!という1品」だけを厳選しているこだわりのセレクトショップとなっております。ただ、一部のカテゴリにおいて、ともに捨てがたい商品がある場合のみ、複数商品を掲示しておりますことをご了承願います。」以上の言い回しは極端であり、現実にはそのサイトの品揃えを考慮し決めていく必要がある。ただ、今後、インターネットで生き残るのが、セレクトショップ、PB商品(含むOnly One)しかないことを考えると、基本的にはこの「クロスド細分化カテゴリ」を追求していくことになる。
そこでの基本的な考え方は、非目的買いの人をどう取り込むかである。これまでのネット購買の多くは目的買いが中心であることは否めない。しかし、テレビ通販やカタログ通販、新聞/雑誌などでの通販の多くは非目的買い通販である。これを取り込むために工夫する余地がまだまだ残されているのがこの領域である。

7 .VISITマーケティング

従来、地上の店舗は、自分から出かけて行くことはできる来店してもらうことしか出来なかった。その来てもらうということに関しても、その店舗の強い魅力により吸引できるアンカー店舗のようなものから、お寺参りの途中にある団子屋といったその店舗だけで吸引しているのではなく、より強いアンカーがあって、そのなかでのついでに寄るというものまで様々である。
ネットの世界でも、現時点では、楽天やアマゾンのように、大きなショッピングモールがあって、その集合による品揃えの多さや付加サービスで吸引しているイメージが目立っている。
しかし、これはネットという性質から考えたときに、吸引だけがその手段ではない。つまり、ネットでモノを販売する場合には、自分のサイトを構築して、そこになんとかして吸引するという方法だけではなく、自ら、出向いていく(VISIT)するマーケティングをミックスすることをそのコスト効果とともに真剣に検討しなければならない。
いくつかのネットの店舗は、リスティング広告やSEO対策にかなりのお金を掛け、そこに集中しすぎているように見受けられる。
今、その出向く先は、多種多様なものになってきており、将来的には大画面テレビへの連動や電子マガジンなどへと繋がっていくものとなる。

8 .カリスマフォーメーションマーケティング

ブログやSNSの中で、これからカリスマになりそうな素質のある人を発掘し、それを演出することがネットビジネスで生き残るためには重要である。注意すべきはすでにカリスマとなってしまっているようなタレントの場合は、それなりにお金が掛かるので、コストパフォーマンスとリスクを考慮するとまずは、発掘することが重要であり、そこがまずは勝負の分かれ目である。かつ、ファッション雑誌を発刊するのと同様、必ずヒットするという保証のない世界であることを忘れてはならない。
そのため、ヒットし続けるためのフォーメーションのシステムが重要である。丁度、モー娘と同じ仕組みである。例えば7人のカリスマを1チームとし、それを人気によって入れ替えていくような発想が必要になる。

9 .他メディア活用による初期カーブ判断

同じような商品、同じような媒体で過去投入したときに成功した受注や問い合わせのカーブと失敗したものとを蓄積しておくことは今後より重要になってくる。つまり、紙カタログではできなかった、ダミーテストができるようになってきているからである。つまり、過去の成功したパターンのカーブを用意しておき、今からテストしようとする商品を自社サイトではなく、出先のサイトを中心に出品し、その初期の反応のカーブを成功したカーブと比較し、展開の是非や方針を決断していくということである。
つまり、本格的にプロモーションする前に、テスト販売することにより、失敗を避ける手法が今後当たり前になってくる。
究極を言えば、実在庫レスのテストも可能である。

10 .CPM

Cost Per Manの意味である。これは、すべてのプロモーションコストをプロモーションのい対象となった人に案分し、新規顧客化や注文が合ったときに、その利益を把握できる仕組みであり、これを実現するにはシステムが必須である。例えばXXテレビで1000万円の広告を放映したとして、その番組の視聴率から受信者数を想定し、そのエリア、年齢層に割り振るのである。それをTVだけでなく、バナーやリスティング、SEOコストなどを同様に割り振ることにより、より効率的なプロモーションをやっていこうとするものである。

11 .紙媒体to大画面TV/PCへのシームレス連動

紙媒体から携帯へQRコードの普及により、かなり容易になっているが、そこから普及してきた大画面TVやPCへの連動はあまりうまくいっていない。
将来的には、電子マガジンが出現し、その連動はシームレスとなるが、それまでの間は、いくつかの方法が試みられるであろう。
TVやPC側にICカードリーダやQRコードリーダが標準的に装備され、普及する時代が、電子マガジンとの連動の前にくると想定される。

12 .バイイング・マインド・デバイド

購買心理、これを現代は、十人十色というような個人に固定した静的な概念で購買行動を捉えられない、その場、その時の心理や、都合や、心情によって、モノを購入している。それも、For me だけではない、for someoneも意外に多いのである。より効果的にプロモーションをしようとするならば、そのメジャーな心理をリアルに捉えておく必要があり、それはアンケートなどではもちろん抽出できない。質問想定自体がズレている可能性があるからである。
それを捉えるには少人数でのグルイン的なアプローチしかない。もうすこし、スカイプやメッセンジャーが普及するならば、そういうメディアでのグルインはもっと、多数に、低コストでできるようになる。

13 .What did you Response for

どのプロモーションに反応して、購買したのか、もっと言えばAIDMAのどの段階にどのメディアが対応したのかを知ることは難しい。しかし、完全にとはいかなくとも、それを目指すことは通販では常識である。商品コードだけではなく、商品オーダー番号を準備し、それを媒体別、時期別、形態別に分けておくことは普通にやられている。しかし、AIDMはよる複数の方法や数学的手法で確認する方法がどうしても必要になってくる。

14 .グローバルインフラ先行競争

これは説明するまでもない、特に売り先が日本以外の世界各国になることは間違いない。そして同時に、これまで輸入販売していたところは本国からの直販に徐々に変更していくであろう。ある意味、販売先の国でしっかりしたインフラとブランドを構築したところに総販売代理権がうつってくるという順序になるであろう。


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1 .シフテッド・ニューエイジ・フォーカス方式(事業継続方式その1)

ここではネットダイレクトマーケティング企業が長期的に生きていくための一つの考え方を言っている。シフテッド・ニューエイジ・フォーカスというのは造語であり、日本語で説明すると、「今ターゲットとしている顧客は経年とともに、加齢していくが、売り手側は、その加齢した顧客から見捨てられないように、売り手側も加齢したコンテンツにするのではなく、ここでは新しくターゲットとしてシフトしてきた年齢層の嗜好に合わせて、変化し続ける方式をいう。つまり、これまでは20代をターゲットにした品揃えやマーケティングをしてきた場合、今抱えている20代を追いかけるのではなく、新しく10代から20代に入って来た人向けに新しく作り直す方式をいう。
さて、フォーカスという言葉がこれについているのだが、これは、上に挙げたのは、単一の年齢層であるのだが、フォーカスというのは企業継続のために、ターゲットとする年齢のゾーンを10代、20代、30代、40代、50代、60代とそれぞれの層に対して広くフォーカスするという意味である。わかりやすく言えば、ティーンエイジの雑誌~子育て雑誌~熟年雑誌など継続する年齢層にもれなく出版する雑誌社に似ている。もちろん、ターゲットは年齢層だけで区分出来るほど単純ではない。しかし、今、紙カタログに生じている大きな問題は、利用者の高年齢化である。ネット時代で、変化が激しい今、このシフテッド・ニューエイジ・フォーカスはネット企業が生き続ける意味で強く意識すべき課題となってきている。

2 .エイジ・シフト・フォロー方式(事業継続方式その2)

こちらは、シフテッド・ニューエイジ・フォーカスと異なり、すでに囲い込んだ顧客は経年とともに、加齢していくが、売り手側は、その加齢した顧客から見捨てられないように、売り手側も加齢したファンに合わせるコンテンツにしていくというものである。シフテッド・ニューエイジ・フォーカスが、各年代層を新規に吸引する考え方であるのに対し、こちらは、既存客ありきであり、それを失わないことを最重視するものである。もちろん、こちらも若い年代への対応に空白ができるので、そこは、新たに取り込んでいくトライアルは別途必要であり、それを怠ると次第に縮小していくものとなる。
もともと、こちらのエイジ・シフト・フォロー方式は、安全であるが、縮小均衡に陥る危険をもっており、油断していると高齢者だけが利用する昔型の通販が死を待つという状況に陥っている現状を見かける。
さて、ここに2つの方式を挙げたが、机上の理想論を言えば、この2つを両方実施し、かつ全年齢層をカバーするということである。かつ、それぞれの層にヒットするコンテンツを見つけるためには少なくとも、各年齢層10種類程度のトライアルをする余力が必要であり、その中で生き残った1つか2つを育てるということになる。
しかし、資金力のある企業であれば可能であるが、現実には、どこかにフォーカスし、トライしていくことになる。それについて「どこが儲かりそうですか」といった問いかけはナンセンスである。
同じラーメン屋でも儲かっている店と潰れる店があり、もっと近い分野で言えば同じ年齢層向けの雑誌でも生き残っているものと死滅したものがあるのと同じである。これらは、特集の切り口であり、執筆の感性であり、セレクトするアイテムのセンスがどれくらい多くの読み手に共感されるかである。
このダイレクトマーケティングの世界においても、すでに「分野」といった大雑把な話ではすまされず、より自社の使える人材の天性や感性がセレクトする尖ったところにかかわる課題となっている。

3 .エイジ・リレーション・システム方式(事業継続方式その3)

これはこれまでの二つの方式に共通するものであり、補完的な役割を担う仕組みとなる。エイジ・リレーション・システムとは、自社が囲い込んでいる各年齢層、例えば大雑把に言うと、ベイビー(0~1才)、キッズ(2~9才)、ティーンエイジ(10代とする)、20s、30s、40s、50s、60sと広く持っていればいるほど有効である。ダイレクトマーケティングでモノやサービスを購入する場合、自分のためだけ(FOR ME)でなく、誰かへのプレゼント(FOR OTHERS)というケースが意外に多い。特に高額品などはその傾向があろう。そうすると孫や親戚に贈り物を促すために、例えば30s~60s向けのプロモーションメディアに、「七五三、端午の節句、桃の節句、内祝い、お宮参り、お食い初め、バースデー、クリスマス、バレンタイン、ホワイドデー、入園、入学、卒園、入学、卒業、成人式、入社」など、贈るために買わせるチャンスは盛りだくさんある。これをこのターゲットのメディアに掲載するのは当然であるが、実はそこにも購入者はこだわりがある場合が多く、おざなりの品揃えしかしていないためにチャンスを逃していないか見直したほうがよいと思われる企業が見受けられる。
先ほどの例は、年上から年下へのギフトやプレゼントであったが、当然、そのお返しも含めて、逆の流れがあるのである。「バースデー、クリスマス、バレンタインに加え、結婚、転居、新築、出産、退職、還暦・・・」などが、若い層側のプロモーションメディアへの掲載の対象となる。
こういったように、そのプロモーションメディアが直接対象としている年齢層の商品や記事だけでなく、彼らのライフスタイルから生じるエイジ・リレーション向けの商品や記事の存在余地は存在する。そして、それらを綿密に、計画的に、仕組みとして仕掛けようとする考え方をここでは、エイジ・リレーション・システムと呼んでいる。@@

4 .既存通販事業への追加投資ROI基準(事業継続方式その4)

ここでは、特に、従来から継続して続けてきた紙カタログを中心とした、旧型通販に対する追加投資の考え方を述べる。
ROIとはここでは投下資本に対する営業利益率を意味している。
多くの紙カタログの通販は、Webへの移行を試みながらも、完全な移行はできず、次第に顧客の年齢層が高齢化してきているところが多い。また、コンピュータシステムも数十年前のままの仕組みをなんとか変更せずに使ってきているところも多い。全体的には、紙カタログ通販を好む、いわゆる通販リピーターと呼ばれる層は高齢化し、消滅しつつあると言ってよいであろう。
その証拠に多くの紙カタログ中心の通販売上は全盛期の半分以下となっているところも多いのである。まとめて言うと、紙カタログ通販は、あまりにも高コスト構造であり、かなりの粗利幅をもった商品を売らないと利益がでないという、いろいろな意味で時代遅れの業態であると言ってよいであろう。
こういった紙カタログが生きて行くには、高年齢層だけでなく、若い年齢の顧客を獲得することが一定のコスト以下でできるかどうかにかかっている。つまりCPI(コストパーインクワイアリ)、新規客を一人獲得するためのコスト額が、その通販のビジネスのビジネス回転上で採算が合うかどうかである。つまり、ROIにおけるインベストは新規顧客獲得コストを含めたプロモーション関連コストを分母にしたときに、顧客からの利益が採算に乗るかどうかが継続投資するか否かのモノサシになるであろう。
もっと簡単な見極め方を言うと、若者層の新規客を一人獲得するためのコスト額が経年的に増加しているのであれば、今の方式を大きく変えるのでなければ、追加投資すべきではないと考え、斬新な方向を探る体制を組む必要がある。


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3-1.リアル店舗からネット店舗へのシフト全体概観

現時点では、物販に関しては、ネットで購入する方がリアルの店舗で購入するよりかなり割安である場合がほとんどであるにもかかわらず、現時点ではまだ、逆転にはほど遠い状況です。しかし、この現象はそう長く続かないでしょう。近い将来には、ネットとリアルが逆転することも架空の話しではないのです。

1.ネットへのシフトを遅らせているワケ
「まだまだ、実店舗が存在するではないか。地上の店舗はなくならないのではないか」という意見も当然あります。しかし、地上の店舗を利用する大きな理由を分けてみると「ネットが確実に安いことを知らない人がいる」「なんとなく不安に思う層がいる」「パソコンや携帯でのwebが使えない人(デジタルデバイド者、超高齢者など)がいる」など今後希薄化していくものがあります。
また、今後も、少数ではあるものの「節約するという金銭感覚をもっていない人がいる」「安心や面倒はお金を払ってでも得たいと考える人がいる」などの理由もあります。
そして、宅配などで幾分かネットにシフトするものの、実店舗が存在しつづける理由をもつものもあります。たとえば以下のもの(時短/安価商品取り扱い店舗)などがそうです。
・コンビニ、生鮮食品スーパー等 : 今すぐに手に入らないと困るというもの(時短)や送料をかけるに値しない価格(安価)のものを扱う店舗。うまい儲けが続くかどうかは別として利用者からのニーズは続きます。
・遊びの空間としてのショッピングモール : 「イオンレイクタウン」とか「ららぽーと」といったタイプの大型ショッピングセンタは、大型化の競争で生き残りも厳しいものの利用者からのニーズは続きます。

2.ネットへのシフトは想像を超えた大きな波
おわかりのように、「時短/安価商品取り扱い店舗」以外の理由は完全には消えては無くならないけれども、急速に希薄化してしまうものです。当初は反対者もいたセルフサービス業態、「お客に自分で商品を選ばせ、自分でカゴに入れ。自分でレジに持って行かせ、自分で袋にいれされる傲慢な仕組み」と言われたセルフサービスという業態に対して違和感はもうすでにないのです。
特に、ナショナルブランド商品に関しては、「時短/安価商品取り扱い店舗」を除けば、小売りの輪の理論(固定費のより安い業態が最安値提供業態として輪の最下位に参入するという論理)からしても、そのシフトは理屈上必然でもあるのです。
 リアル店舗からネット店舗への変化の大きさを、過去の同様の例を挙げて例えるならば、「商店街が、スーパーマーケットにより消滅し、タバコ屋、米屋、酒屋、パン屋がコンビニエンスにとってかわられ、百貨店から、おもちゃ売り場、家電売り場、書店、紳士服売り場、家具屋、等々が、ロードサイド店あるいは専門大型店舗にシフトしていった」と同じような大きさの波なのです。

2-2.ナショナルブランド商品におけるネット上の競争概観
ここでは、商品をナショナルブランド商品とプライベートブランド商品に大きく分けて記述しています。ご承知のように、現実には商品はこのような単純なもので区別できるものではありません。すこし挙げるだけでも、最寄品/買回り品、耐久品/消耗品、ターゲット年齢別、ターゲットライフスタイル別商品等々もあります。いずれにしろ、こういったカテゴリで分類し分析したところで、実際のコンサルティングでは、ほとんど役に立ちません。具体的な商品を見て、その商品力を把握して初めて、解決の糸口や戦術が考え出せるものです。そこで、ここではある意味、大まかな目安または参考になることを意図して記載しています。

1).オークションサイトは複数存在する?
「時短/安価商品取り扱い店舗」を除けば、ナショナルブランド商品に関しては、リアル店舗の消滅だけでなくネット店舗間での淘汰が始まります。
 その最終的な姿は残酷なものです。既存のネット物販で例えるならば、ネットオークション業界におけるyahoo!オークションのような状態になります。ご存じのない方にわかりやすく説明するならば、オークションは山ほどあれども、実際に機能しているのは、yahoo!オークションだけであるというようなことがナショナルブランド商品の世界で起きるのはほぼ間違いありません。
 なぜ、yahoo!オークションが独占状態となり、競合から切り崩されないかというと、購入者側から見れば、そこには日本で一番多くの商品が揃っており、売り手からいうと、そこには一番多くの来客者がおり、一番高く売れる可能性があるからです。そこには自律的に加速するスパイラルが働いているからです。
2).ナショナルブランド商品における一人勝ちの構図
さて、「ナショナルブランド商品」におけるネットでの販売競争において優位にいると思われるのは、現時点では
アマゾンコム、楽天、yahoo!オークションなどがあげられるでしょう。
アマゾンコムも楽天も yahoo!オークションもすでに、新品と中古、さらには、業者と個人を混在させて出品を許しているので、中古と新品販売や個々の売り手を区別して業態を語る意味はあまりなくなっています。
 今後の各社の戦略によって競争構造の変化の可能性はまだまだあるのですが、現時点で優位にいる者を強いてあげるのであれば、アマゾンコムと思われます。
3).一人勝ちの予測根拠
なぜ、アマゾンコムかというと、それは個人出品や外部業者や個人販売者を取り込み品添えの豊富さではダントツにあります。検索エンジンでも商品名を検索すると必ずといってよいほど上位に表示されます。つまり、目的買いのために検索エンジンで入ってくる人は、そこでアマゾンコムをクリックするという構造がすでにできています。かつ、価格も最安値に近いものになっていますし、値下げも売れ行きに応じて頻繁に変更されています。その値下げ率をサーチするエンジンが普及しているくらいです。そして、さらに送料が安いという追い討ちをかける構造を備えています。つまり、売れ筋については自社に在庫を抱え、大量物量を盾に送料値引き交渉力を使った低コスト配送料、および翌日配送可能という配送速度の強みをもっています。特に個別損益は別としても1500円以上送料無料ということをうたうことができる物流センターとそのシステムを回転させているということ。それらのことを考慮すると現時点ではアマゾンコムが優位にあると考えるわけです。
もちろん、楽天も自社物流を整備するという判断をしたため、今後はこれらの競争は体力勝負となっていく様相を示し始めました。

2-3.プライベートブランド商品におけるネット上の競争概観

1).そこでしか購入できないOnlyOne商品の道
欲しい商品がそこでしか販売されていなければ、そこで購入するしかありません。非常に単純でわかりきった話です。特に、ネットの世界およびそこに大きな影響をうけるリアル店舗の世界では、これが生き残る王道なのです。プライベートブランド商品という意味には、OnlyOne商品(唯一無二)という意味よりはより多様な幅の広さをもっていますが、その中での究極を挙げると、このOnlyOne商品の道となります。今後、生き残りのために、メーカは元々そうですが、多くの小売も自社企画開発による唯一無二のOnlyOne商品をヒットさせることに向かって動き始めます。
その中で、実際に良い商品(口コミサイトで評判がよい、専門家からの評価が高いなど)が生き残ってゆきます。これまでのように多様な商品がそれなりに生き残っていくようなことではなく、極端に勝ち負けの商品がハッキリしてくるでしょう。現在では、まだまだ、そのような口コミサイトの存在を知る人が少なことと、それと商品購入時に、自動連動したり、サマリしたりするサービスが出現していないだけの話です。これまでのように、店頭で洗脳するような販売ではなく、顧客はすでに購入する商品を決め、値段のラインを決めてリアル店舗やネット店舗に来店することが当たり前のようになってきます。丁度、昔は車はセールスマンがセールストークや人間関係で販売していたものが、今では、ほとんどの購入者が事前に購入する車を決めてから来店するようになったのと同じような現象が起きるのです。
2).魑魅魍魎のOnlyOne商品も発生
そのためこれまでナショナルブランドを中心に扱っていた店舗は、これまでのナショナルブランド商品からプライベートブランド商品へと扱い商品を変化させてゆきます。現実には、中身は同じでも入れ物や商品名が違うものをメーカに求めるというような低次元のことも発生するでしょう。そういうまやかしのテクニックも派生させながら、広い分野でプライベートブランド化が急速に進みます。それらの商品が市場でヒットするかどうか以前に、その波に取り残されたところは、瞬く間に淘汰されていく可能性があるのです。
こういった世界では、今関心を集めているSEOやリスティング広告といった気づきの場所取り合戦では収まらない「商品力競争」、「商品ブランド競争」、「それを知らしめるマーケティング競争」のための激しい競争や工夫が生じてきます。この時のネットダイレクトマーケティング戦略は、現状の如何に店に集客するかといったことに中心となっているネットマーケティングのそれとは、別次元のものなのです。
3).価値を感じさせるセレクションブランドの道
言うまでもありませんが、全ての人が合理的かつ自主的に購買行動をするわけではありません。つまり、すべての人が、もっとも「安くて」「早くて」「安心できる」ということを自ら調べ、購買行動をとるわけではありません。それ以前にファッション小物や雑貨小物などに代表されるように、無数の商品が市場に溢れていて、合理的に選択すること自体が不可能なものも多くあります。そのため、ネットにしろ、その影響を受けるリアル店舗にしろ、なんらかの基準(品揃えのセンスやコンセプトなどの価値を感じさせるセレクションブランド)を購買者は求めてくる領域があります。それは、地上のショッピングモールにおいて各テナントが競っているものと類似したものです。それがネット上でも価値をもったセレクションブランドとして認識させるような競争が生じてくるわけです。
4).リアル店舗型のプライベートブランド店舗発想では通用しない
現在の大型ショッピングモールなどでもすでに、同じカテゴリ商品を扱う店舗間でも競合が生じていますが、それは店舗が集積することによる集客増加があるため、集客において協力し合う側面ももっています。
しかしながら、ネット上では、このような集積集客は期待できません。ダイレクトにそのセレクションブランド店舗へ直行してしまう可能性があります。
そこで、ネットダイレクトマーケティングでは、「同じカテゴリ商品のなかでも、あなたにとって価値のあるベストな商品をセレクトしているブランドですよ」ということを明確に知らしめるための工夫が必要になってきます。
それは、老舗ブランドを生かしたり、口コミのブランドを作り上げたり、カリスマによるセレクトショップを仕掛けたり、さまざまな手法が考えられます。
また、プライベートブランドでは一人勝ちにはなりません。規模が小さなネット店舗でも競争力があれば、生き残ってゆきます。しかし、そこに求められるのは大手のネット通信販売に求められるようなバックヤードサービスです。
そのニーズを埋めるバックヤードアウトソーシングサービスが今後多数出現してきます。そして、そのサービス競争による料金の低価格化が生じます。それにより、リアル店舗であっても、店舗自体での販売を続けながらもネットでの販売比率を増加させていきます。と言うのも、現在では、店頭での商品粗利率ではカタログ通販をやってもコストが合わないというのが現実ですが、バックヤードアウトソーシングサービスの低価格化によって、リアル店舗とネット店舗の同一価格が実現できるようになるからです。そのバックヤードを支援するアウトソーサーには、例えば、受注後の出荷ピッキングを含めた物流、サイズ不一致や好み不一致による返品返金交換、翌日お届け、無人有人コールセンタなど様々なものが出現してきます。

4). さいごに

いずれにしろ、冒頭にも述べたように、クライアントが狙う領域、商品、サービス、その市場にすでにどのようなレベルのビジネスが仕掛けられているのか、今後現れる恐ろしい競合は誰かなどをもとに話をしないと、大雑把な話になってしまうのは否めません。そこで、実際には、具体的な対象とベースに将来の予想、現在の競争状態を見て、何を仕掛けるのがベストなのかを個々の分野で個別に発想し、創出していく必要があります。
しかしながら、その大雑把な話としても重要なことがいくつかあります。
(1)もし、貴社が製造業者である場合、ダイレクトネットマーケティングの中で生き残るレベルのネット評価を起こせるインパクトマーケティング戦略を考えた商品開発のノウハウを、今から育成していかないと、本格的なダイレクトネットマーケティング時代には貴社の存続は危ういかも知れません。
(2)もし、貴社が小売りの場合、消費者の多くはネットを介して購入するようになります。2007年の商品小売売上高は概ね134兆円です。その多くがネットに流れてゆきます。そのとき、ネットマーケティングの世界の中で生き残っていくための戦略を今、準備していなければ、その変化の波にあっという間に飲み込まれ、多くの小売りが消えるように、貴社も消えていく可能性があります。
(3)もし、貴社が卸売業の場合、すでに生じているようにネット卸が巷に溢れています。2007年の年間商品販売額は410兆円です。小売りが134兆円なのにその3倍の数値なのです。それは、多段階だから出てくる金額です。卸には、元来、物流機能(集約分散)、補完機能、小分け機能、金融機能、中間加工機能、商品広告機能などがありましたが、現在は大手小売りチェーンの出現だけでなく、ネット卸の出現により、その役割は大きく変化してきましたし、今後は、さらに変化してゆきます。ダイレクトマーケティングの時代に貴社の存在理由を示すことが出来る戦略を、今、見いだすことができないのであれば、会社の存続は難しい可能性が高のです。
(4)もし、貴社がサービス業である場合、その認知はネットになり、それもネットでの口コミになります。高評価のための仕組みとネット評価のコントロールはもちろんのこと、他社と絶対的に差別化できるサービス戦略を今、設計士、準備しておかなければ、貴社の存続に影響するかも知れません。
(5)その他共通事項
1.これからは売り先は日本国内だけでは生き残れないこと。仕入れ先はもちろんのこと、売り先も英語圏だけでなく、全世界に対応できるネットワークを構築することは必須です。
2.新たなネット時代への投資は惜しんではなりません、なぜなら、これは貴社の売上の増減レベルの話ではなく、貴社の存続そのものをかかわる問題なのです。そして、その波は、想像を絶するスピードで押しよせてきます。そのため、今、すぐに、明日から、将来を予測し、そのための戦略を考え始めるチームをつくり、検討のための予算をつけて、すぐに検討されることを強く推奨します。今の企業の8割はこの大きな波で消えるかもしれないのです。


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