TV通販業界が既存事業戦略の行き詰まりに直面している。その最大の要因はデジタル放送への移行、すなわち「2011年問題」である。この問題は、いまのTV通販の事業が、地上アナログ放送の隙間をついた戦略に成り立っていることに由来する。TV通販業界は、90年代前半まではCATV(ケーブルテレビ)の普及で利用者が急増していた。CATVのテレビ回線につながっていれば、地上アナログ放送の空きチャンネルで視聴できる戦略で急成長した。いわゆる「空きチャンネル戦略」である。
 しかし、2011年にデジタル放送への移行により、(1)「空きチャンネル戦略」が使えない、(2)BSデジタル局開局の場合、通販番組時間に一定時間以下という制約がある、という2つの問題に直面している。活字等のメディアミックスで対応するようだが苦戦が強いられるであろう。なぜなら、そもそものビジネスモデルが「生放送で視聴者の反応に合わせて番組内容を柔軟に変更できる」TV特性があるからこそ実現が可能なものとなっており、活字等のたのメディアでは顧客の反応に合わせて柔軟な変更をとることは現時点では不可能である。電子ブックや電子マガジン等の次世代の新メディアの一般普及に伴い、将来的には可能になるだろうが普及にはまだ一定の時間がかかる。
 さらに多チャンネルの流れの中で通販番組が増え、百貨店やカタログ総合通販同様に各チャンネルの個性が薄れてしまう恐れがある。ネット通販同様最大手の一人勝ちとなる前に顧客訴求をどのように実現するか、独自の戦略の模索が求められる。


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 20代の働く女性をターゲットとしたファッション性と利便性を追求した駅ビルショップが人気を博して久しいが、新規参入も増え競争が激化している。アイテム自体の違いはあるものの扱っているカテゴリーは、主にアパレル、服飾雑貨、フード、CD、コスメ等であり、コンセプトは「楽しくて使いやすい」、「かわいくて新しい」である。例えば、「ITS’DEMO」、「ranKing ranQueen」、「PLAZA」、「無印良品」等があるが、面白いのは母体企業の本業が、アパレル、鉄道、電気音響機器製造、商品小売とさまざまであることだ。
 母体企業の事業が異なれば、一見類似のショップでも事業戦略や出店の目的は異なる。アパレルや商品小売は、トレンド情報収集のアンテナショップ、試作品・新商品のテストマーケティングショップとしての狙いがある。鉄道は、アンテナショップというよりもショップ集客による本業への鉄道利用効果への狙いがある。電気音響機器は、既にTV企業に事業売却をしているが、もともとの狙いとしては、CD等のテストマーケティングショップの位置づけがあったのだろう。
 この業態は今後生き残っていけるだろうか。利便性だけなら駅中コンビニがあるので生き残っていけないが、ファッション性すなわち「その店にいると楽しい気持ちになれる」という女性の遊び心を刺激することは、いまのコンビニにはできないことなので生き残っていけそうである。ただし、コンビニもファッション性を付加すれば模倣可能な業態ではあるので、競争は今後ますます激化していくことであろう。


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 「ナイトスチームナノケア」、「電動マスカラ」が忙しい女性の間でヒットしている。「ナイトスチームナノケア」は寝ている間に顔に潤いを与えるスチーム式美容器である。「電動マスカラ」は、ブラシが細かく振動し、失敗なくきれいに仕上がるマスカラである。どちらも女性の美顔用の道具であり、手間ひまかけずに美しさを追求することに価値を感じる忙しい女性がターゲットである。特徴は、手軽に使えて、使っている時間を短縮もしくは別の何かにも使うことができ、美しくなれる点にある。
 この「手軽」、「時間短縮」、「美」という商品特徴は、美容・健康関連ヒット商品の基本構成要素とも言える。本来、美しくなるためには時間も努力も必要なはずであるが、そこまではしたくない、しかし美しくなりたい、という相反する願望を実現してくれるところに、人は価値を感じるわけである。例えば、これほど多種多量の美容・健康サプリメントや、TVを観ながら手軽に使える数多のダイエットマシーンが売れ続けていることも本質的には同じ理由であろう。
 女性にとって自分の美の追求は一生涯なくならない欲求であり、かつ世の中忙しくなる一方なので、メーカー側からすれば今後ますますこの分野でのヒット商品を開発しやすくなると言える。


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