『感情を揺さぶる』プレゼンのコツ | 組織変革成功講座

『アンチ・ヒーロー』というドラマを

ご存知でしょうか?

 

俳優の長谷川博己さん主演のTVドラマで、

現在、日曜の午後9時から放映されています。

 (次回6月16日が最終回)

 

 

長谷川博己さん演じる主人公、

明墨(あきずみ)弁護士の

人を動かす“プレゼンテーション”が秀逸なのです。

 

   

もちろん、テレビドラマですから、

脚本があってのことではあります。

  

が、プレゼンテーション・スキルとしては、

非常に参考になるのです。


 

ビジネスにおいて

プレゼンテーションを行う目的は何でしょう?


 

ここでいうプレゼンテーションは、

広い意味で『自分の考えや情報を伝えること』

と捉えてください。

 

そのプレゼンテーションの目的、

 

それは、ずばり、

 

『人を動かす』

 

です。

 

 

なんのために自分の考えていること、

自分の持っている情報を伝えるのか

と言われれば、

何らかの形で人を動かすためです。

 

 

部下が上司に報告する場で、

自分の持っている情報を伝えるのも

上司にその情報から何らかの判断を

行動としてとってもらうためです。

 

営業パーソンがお客様に商品・サービスの

説明をするのも、お客様に購買という行動を

とってもらうためです。

 

繰り返しになりますが、

プレゼンの目的は

人を動かすこと。

 

そして、この目的を達成するために、

プレゼンテーションに必要なのが、

 

・論理的であること

・感情を揺さぶること

 

です。

 

長谷川博己さん演じる弁護士のプレゼンは、

「相手の感情を揺さぶる」点で、

ものすごく秀逸なのです。

 

相手の感情を揺さぶるためには、

次の2つのステップが必要です。

 

①  相手にイメージを浮かべさせる

②  相手をそのイメージに登場させる

 

 

 

このステップが秀逸。

 

 

例えば、こんな感じです。

 

第1話にこんなシーンが出てきます。

 

長谷川博己さん演じる明墨(あきずみ)弁護士が、

殺人事件で自分の夫を殺された奥さんに

容疑者に有利になる証言を法廷で

してほしいとお願いする。


 

少々複雑なのですが、

その証言をするのは奥さん本人ではなく、

その奥さんの息子(5歳)です。

 

 

明墨が弁護する容疑者は

被害者とその奥さんが経営する会社の

元従業員、緋山啓太(ひやま けいた)。

 

本来、自分の夫を殺害したかもしれない

容疑者に有利な証言など

自分の息子にさせたいはずがありません。

 

そのときのセリフ(プレゼン)が以下の通り。

 

『死刑になるかもしれませんね。

私たちは、緋山さん(容疑者)が

犯人だとは思っておりません。


 

事件よりも前に、緋山さんを家の中に入れたと、

湊君(奥さんの息子、5歳)が証言してくれました。


 

これは、この事件において

最も重要な証言となります。

 

(中略)

 

私たちはあなたに嘘を

ついてもらいたいわけではありません。

 

(湊君の証言がなければ)緋山さん(容疑者)は

有罪となり、一生殺人犯として

生きていくことになるんです。

 

こんな事例があります。

 

殺人犯として逮捕され、死刑が確定。


 

10年以上も獄中生活を続け、

いまだ死刑執行の日を待つ。


 

でも、それが本当は無実だとしたら・・・。


 

家族を失い、暗くて寒い無機質な箱の中で

ただただ死を待つだけの日々。


 

奇しくもその事件も、意図的に証拠がもみ消され、

それにかかわった人物は、

今もなお深い悲しみを背負って生きています。


 

あなたはそんな人生を生きられますか?」

 


 

いかがでしょう?

 

「こんな事例があります」と言って

イメージを浮かべさせ、

 

「あなたはそんな人生を生きられますか?」

と言ってイメージに登場させています。

 

他にも、ドラマの中で、

無理難題お願いして、

人を動かすシーンがたくさん出てきます。

 

本当にその伝え方が秀逸。

 

イメージを浮かべさせるためのセンテンスとしては、

明墨弁護士が使っていた

「こんな事例があります」

とか

「具体的にお伝えします」

なんかを使っていただけるといいでしょう。

 

相手をイメージに登場させるには、

「想像してみてください」

「考えてみてください」

が使えます。

 

ぜひ、意識してこれらのセンテンスを使って、

相手の感情を揺さぶるプレゼンを

行ってみてください。

 

想像してみてください。

 

もし、あなたのプレゼン・スキルが今よりも数倍高まり、

会議の場など、意思決定の場で、

あなたが伝えることに周りの人たちが賛同してくれる、

 

そして、

「分かった。あなたのいうようにみんなで進めていこう」

と周りの人を意のままに動かせるようになれたら・・・

 

もし、周りの人から、

「あなたの話って、本当に納得感高いし、

やらなきゃいけないって気にさせられます」

と高い評価を受けられるようになれたら・・・

 

仕事が今よりももっともっと楽しくなると

思いませんか?

 

 

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追伸

アンチ・ヒーローの第1話の冒頭の

プレゼンが最高です。

 

以下、せっかく文字お越ししたんで、

掲載します。

 

長いですが、きっと読み始めたら

止まりません。

 

容疑者に語りかけるシーン。

 

『人を殺したんですか?もう一度お聞きします。

あなたは人を殺しましたか?


 

質問を変えましょう。

 

殺人犯として生きるということは

どういうことだと思いますか?

 

人殺し、生きる価値なし、人間の屑、死んで償え、

有罪が確定した瞬間、

こんな言葉があなたに浴びせられます。


 

見ず知らずの他人が、

何千、何万というナイフで

あなたの心を平然と刺していくんです。


 

その矛先はあなただけではありませんよ。


 

家族、恋人、友人、同僚、

あなたの人生に関わったすべての人が、

殺人犯の何々という称号を強制的に与えられるんです。


 

罪のない人間が犯罪者と同じ扱いをされるんです。


 

むしろ殺人者として牢屋で過ごすより

悲惨かもしれませんね。


 

むろんあなたが真摯に罪と向き合い

更正したと判断されれば、

刑を終えることはできます。法律上は。


 

でも、それはあなたが罪から

解放されたわけではありません。


 

過ちを犯してもやり直せる。


 

日本はそんな優しい国、とでもお思いですか?


 

考えてもみてください。


 

あなたの住む部屋の隣に

殺人犯が引っ越して来たら、

「私、人を殺したんです」と言われて、

「そうですか」と笑っていられますか?


 

犯罪者の更正施設だってそうです。


 

社会にとって必要だということは

誰もが分かっている。


 

しかし、自分の近くには来てほしくない。

それが人間なんです。もうわかりましたよね。


 

法律というルールの中では許されても、

リアルな世界では一度罪を犯した人間を

許す気なんてないんです。


 

どんなに心を入れ替えたとしても、

出所した先に自分の居場所なんかないんです。

幸せになんかなれるわけないんです。

やがて絶望し、もう一度人を殺すか、

自ら命を絶つか、待っているのはそんな未来だけです。


 

殺人犯になった時点であなたの人生は終わります。

仕方ないですよ、だって・・・人殺してるんですから。


 

失礼、話を戻しましょう。

 

今日はあなたに大事なことをお伝えしに来たんです。

この機会をあなたがどうとらえるかですが・・・。

私があなたを無罪にしてさしあげます』