“嫌われた監督”から学ぶラジオ体操の意義 | 組織変革成功講座

あなたの職場では、

朝、ラジオ体操ってやっていますか?

 

朝のラジオ体操。

 

特に製造業系では実施している職場は、

そこそこあるのではないでしょうか?

 

私が以前勤めていた製造業では、

毎朝行っていました。

 

その頃には考えたこともなかったんですが、

そもそも、なぜ、ラジオ体操って

やってるんでしょう?

 

今日はそんなことを考えてみたいと思います。

 

先月、新入社員研修で伺った会社さんでも

ラジオ体操を始業前に行っていました。

 

研修前にあのメロディーが流れ、

みんなが起立するわけです。

 

私も、せざるを得ない状況になり、

音楽に合わせて、体を動かしておりました

 

で、新入社員研修が始まり、

聞いてみたのです。

 

「なぜ、ラジオ体操を

やっていると思いますか?」と。

 

そこは新入社員の人たちですから、

素直に答えてくれるわけです。

 

「朝、運動をして体と頭を目覚めさせるため」

 

「運動機能を活性化して、

ケガをしないようにするため」

 

「みんなで行って一体感を高めるため」

 

等々・・・

 

どれも正解でしょうし、

 

新入社員としては、

素晴らしい答えだと思います。

 

 

が、私からは、ちょっと違った観点から

ラジオ体操の意味合いを伝えました。

 

その私が伝えたことをご紹介する前に、

こんな話をしておきたいと思います。

 

凝りもせず野球ネタ。

 

先日(4月23日)、野球中継を聞きながら、

ジョギングをしておりました。

 

中日対阪神戦。

 

解説が井上和樹さんでした。

 

中日ファンしか通じにくいんですが、

今年新加入したキューバ出身の選手で、

アキーノという選手がいます。

 

開幕戦では4番を打つぐらい

打つ方で期待されていた選手。

 

が、開幕から全くの期待外れ・・・

全然打たないわけです。

 

三振ばかり・・・

 

2023年5月11日時点で、

65打数32三振・・・

5割三振ってあり得ないです(^_^;)

 

野球中継で、そのアキーノ選手の

話題になったのです。

 

アナウンサー:

「試合前に、立浪監督がアキーノ選手に

つきっきりで打撃の指導していたようです」

 

井上和樹:

「立浪監督としても何とかしたい、

って思いがありますよね」

 

これのやり取り、あなたはどう思いますか?

 

私は、立浪監督否定派でもないんですが、

「これはあかんやろ」って思いっきり

ジョギングしながらツッコんでました。

 

だって、監督がそんな試合前に、

ひとりの選手に付きっ切りでバッティングの

指導なんかしてちゃダメですよ。

 

これが監督ではなく、

バッティングコーチなら問題ありません。

 

監督がやっちゃダメ。

 

監督が試合前にやるべきことは、

一人の選手に付きっ切りになることではありません。

 

全選手を見て、

どの選手が調子が良くなっている、悪くなっている、

どの選手がどんな変化があるか、どんな状態かを

しっかりと見ておくことです。

 

その観察したことを采配に活かして、

勝つためにどの選手をどの場面でどう使うかを

判断しなければいけないはず。

 

試合前の時間は、

その判断の材料を仕入れて置く時間に

使わなければいけないのではないでしょうか。

 

 

中日の2004年から2011年までの黄金期を

築いた落合博満氏について書かれた本、

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」

(文藝春秋 鈴木忠平著)にこんな一節が出てきます。

 

落合監督が、著者である新聞記者の鈴木氏に向かって

こんなことを言います。

 

「ここから毎日バッターを見ててみな。

同じ場所から、同じ人間を見るんだ。

 

それを毎日続けてはじめて、

昨日と今日、そのバッターがどう違うのか、

分かるはずだ。

 

そうしたら、俺に話なんか訊かなくても

記事が書けるんじゃねぇか」

 

落合はにやりと笑うと、

顔を打撃ゲージへと向けた。

 

視線の先には森野がいた。

 

(中略)

 

まるで景色や物を眺めるような目だった。

どれくらいそうしていただろう。

その間、落合は一言も発しなかった・・・」

 

やっぱり落合監督って本当にマネジメントを

分かっていた監督だったと思います。

 

優秀な選手は優秀な監督になれないと

よく言われます。

 

が、それはマネジメントが

分かっているかいないかの問題であって、

優秀な選手でもちゃんと

マネジメントが分かっていれば、

優秀な監督になれるんはずです。

 

まぁ、監督になったら、

優秀な選手だった人ほど

技術指導したくなるんでしょうね。

 

監督は技術指導しちゃダメ。

 

勝つために選手一人ひとりを見て、

勝つためにはどうしたらいいかを考えるべき。

 

「打てるようにするにはどうしたらいいか」

は監督として考えるテーマじゃない。

 

どうしても監督になっても、

教えたい気持ちを抑えきれないのであれば、

「やり方」を教えるのではなく、

「あり方」を教えればいい。

 

立浪監督も選手時代、

輝かしい成績を残しているわけですから、

「プロ野球人としてどう考え、

どうあるべきか」を教えればいいんです。

 

すみません、野球ネタで熱く過ぎました。

 

ラジオ体操の話に戻りましょう。

 

ラジオ体操をやる目的には、

 

「毎日同じ動きをさせることで、

管理者からすると、

社員一人ひとりの変化を見極めやすくなる」

 

ということがあるのではないでしょうか。

 

落合元監督が毎日同じ場所から、

同じ練習をする選手を見続けていたように。

 

だから、ラジオ体操を行うときには、

管理者は部下の動きを

同じ場所から見ていないといけないですね。

 

部下のちょっとした動きや表情の変化から

部下の状況・状態を察していく、

そんなことができたら、

落合監督のように黄金期が築けるかもしれません。