組織変革成功講座

ほんのちょっとコミュニケーションを
変えることで、相手の反応が大きく変わる。

今回は、そんな体験をされた
とあるケアマネージャーさん(30代、女性)の
事例をご紹介します。

私が講師を務めた中小企業大学校瀬戸校での研修、
タイトルは「実践から学ぶ!提案営業の進め方」。


全4日間の研修で、
7月10日・11日に前半2日間、
そして8月21日・22日に後半2日間、
で開催されました。

後半の研修時には、
前半で学んだスキルを実際に
現場で試してみてどうだったかを
受講者の方々にご報告いただきました。

その中で印象的だったのが、
このケアマネさんの取り組み。

伝えた講師の私が、
「たったこれだけで、
こんな成果があるものですかぁ!?」
と思えてしまう内容でした。

 

 

彼女が実践したのは、
「クッションフレーズ」と「共感」。

どのような変化・成果を得られたのか。

まず「クッションフレーズ」について・・・

「クッションフレーズ」とは、営業の場面でいえば、
営業担当者がお客様に対して問いかけるときに、
お客様がその問いを受け取りやすくする、
かつ、答えやすいように一言を添えるというもの。

彼女はこれを、
要介護者の方やそのご家族の方に対し
今後の介護プランを伝える“提案”の場面で実践しました。

こんな感じです。

(提案の前段階で)
「私などがしゃしゃり出て申し訳ないのですが、
○○に関してご提案させてもらってもいいですか?」

「若輩者の私なんかが言うのも
おこがましいのですが、
○○についてお伝えしてもいいですか?」

こうした一言を伝えてから、
相手に提案をする
(もしくは問いかける)。

このケアマネさんが実践されたところ
どのような変化があったかというと・・・

以前であれば、
「なぜあなたにそんなことを
言われなければならないの?」と
反発されたことも度々あったそうです。

ところが、クッションフレーズを使ったうえで
提案をするようにしたら、
要介護者の方やそのご家族の方から
「ぜひ聞かせてください」と
促されるようになり、
かつ提案をしっかりと聞き、
受け入れてくれるようになったとのことなのです。

大きな変化、大きな成果だと思うのですが、
いかがでしょう?

人って、上から目線で、
マウントを取ってくるような人からの
提案・アドバイスは聞きたいと思いません。

少し謙虚な態度を取って、伝えてみる、
それだけで聞こうともしてくれなかった人が
「聞かせてください」というようになる、
しっかりと受け取ってくれる。

なんとも人間心理って面白いです。

次に「共感のスキル」。

「共感のスキル」とは、
「それは辛いですね」、
「それは寂しいですよね」と、
相手が抱いている感情を言葉にして返すスキル。

奥様の入院について決めきれずにいた85歳の男性。

その男性に対して、ケアマネとして
何度も様々な提案をしていたそうです。

「こうしてはどうか?」、
「ああしてはどうか?」と。

しかし、その男性は首を縦には振らなかった。

で、7月の研修後、そのケアマネの方は、
研修で学んだ「共感のスキル」を駆使して、
その男性に対して徹底的に共感をし続けたそうです。

その結果、今までケアマネとして伝えるどの提案も
受け入れてくれなかったこの男性が、
自ら「これからはこうしていく」と
自分の意思を伝えてきたとのことなのです。

そのケアマネさん曰く、
「今までこの男性の辛さを
理解してくれる人はいなかったんだと思います。
で、私から共感してもらえたことで気持ちが落ち着き、
ようやく次を考えられるように
なったのではないでしょうか」
とのことでした。

いかがでしょう?

この事例を通して、
私があなたにお伝えしたいことが
二つあります。

クッションフレーズと共感を使おう、
ってことではありません。

 

 

一つは、
「行動した結果に好奇心を持とう」
ということ。

当たり前といえば当たり前なんですが・・・。

研修を受けたり、本を読んだりして
知識を得るだけではなく、
その得た知識に基づき、実際に行動に移して
初めて何らかの変化や成果が出ます。

研修を受けることも、本を読むこと自体も
それが目的ではありません。

目的はそこで学んだ新たなことを
実践して、成果につなげること。

では、どうしたら研修などで得た知識やスキルを
実践に移せるのか?

実践したときに起こるであろう
変化や成果に対する好奇心を持てると
いいのではないかと考えています。

「研修で講師の人がこんなことをすると
こんな成果が出る、って言っていたけど本当かな?

自分が実践してみたら、どんな成果が出るのだろう、
本当に講師の人が言っていたような
成果が出るのだろうか?

とにかくどんな変化が起こるか、もしくは
どんな成果が出るのかを楽しみにしてみよう」
という感じ。

もう一つは、
「人の考えを変えるには、
まず行動を変えることが有効」
ということ。

今回ご紹介したケアマネの方は、
要介護者の方やそのご家族の方への
“自分の態度”を少し変えてみました。

その小さな行動による変化や成果が実感できたとき、
それが成功事例となり、自分の考え・意識が
変わっていくのではないでしょうか?

例えば、今までは人の気持ちを汲むなんてことよりは、
とにかく合理的な理に叶った提案をすれば、
人は受け入てくれる、
という考え方を持っていたとしましょう。
(今回のケアマネの方がこうした考え方であった
ということではありません)

それが今回のような成功事例を得ることで、
「人は自分の気持ちを分かってくれる人の
いうことは聞いてくれる。
頭で分からせるだけでは人は動かない。
心を揺さぶることも人を動かすには必要」
という考え方に変わる、というイメージです。


このように営業担当者の商談力を高めたいと
お考えの経営者、営業部長の方は
いらっしゃいませんでしょうか?

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ご一報いただけましたら、
御社の実情に沿った教育の
ご提案をさせていただきます。

商談力強化の問い合わせ

8月7日、キリンホールディングス(HD)の
中間決算発表(2025年1月1日~6月30日)が
行われました。
決算発表前ではありましたが、
キリンHDの決算内容に関する
日経電子版の記事を読みながら、

『やっぱり経営者って、
こういう意思決定ができてこそだなぁ』
と改めて感じておりました。

今回のブログでは、
キリンHDの決算内容をもとに
経営者はどんな意思決定ができてこそなのか、
経営者の大きな役割にはどんなことがあるのか、

についてお話をしたいと思います。

 

 

今回のキリンHDの中間決算発表で特筆すべきは、
「ヘルスサイエンス事業」が今季ついに黒字化する
ということでした。

参考までに、
そのほかの情報をお伝えしておくと・・・

2025年1〜6月期の
連結事業利益は942億円(前年同期比1.3%増)
と過去最高、

売上収益も1兆1,363億円(前年同期比3.7%増)で
国際会計基準移行後の最高水準、
 
主力の国内ビール類の25年1〜6月の
累計販売金額は3%減だったものの、
缶チューハイや飲料が伸びた、

とのことでした。

経営者は、
日常業務をいかに効率的に行うかとか、
現在の製品やサービスの品質・コスト・納期を
どう改善するかは現場に任せ、
「未来の稼げる事業」を発掘し、
育てていく責任
があります。

キリンHDでいえば、
その「未来の稼げる事業」が
「ヘルスサイエンス事業」だったわけです。

ご存じの通り、もともとキリンHDの本業は
ビールの製造・販売。

しかし、ビール事業は若者のアルコール離れや
健康志向の高まりで市場としては
縮小傾向にあります。

2024年の国内ビール類販売数量は
ピーク時(1994年)比で4割減、
キリンHDにおいても
25年上期金額ベースで3%減でした。

このままでは売上も利益も減っていくだけ。

では、どうするか?

当然、ビール事業に代わる稼げる事業を
探す必要があるわけです。

当然ですが、その事業を選択する基準は、
その市場が伸びていること。

収縮している市場の事業に
新たに取り組んで、
収益を上げるのは難しいですから。

なぜなら、新たな事業に取り組むためには、
新たな設備投資がいりますし、
開発コストもかかります。

その事業に携われる人材を採用しなければならず、
採用コストも人件費もかかってきます。

しかも、伸びてない市場の場合、
それほど売上が上がることも期待できません。

コストだけかさんでしまって
利益が出せないという状況になります。
だから、そんな市場に打って出ようとはしません。

キリンHDが選んだのが、
健康・美容ニーズの高まりを背景として
これから伸びていくであろう市場の
ヘルスサイエンス事業でした。
 
具体的には・・・

独自素材「プラズマ乳酸菌」を活用した
健康食品の開発や
2019年に協和発酵バイオ、
2023年に豪ブラックモアズ、
2024年にはファンケルを子会社化などを
行ってきました。

(ヘルスサイエンス事業は、
1983年 のキリンビール事業開発部内に
健康食品チームが発足し、
ビール酵母などを活用した健康食品の研究開発が
スタートではあるようです)

経営者としては、新規参入した儲からない事業に
お金をつぎ込まなければなりません。

そのお金をどこから持ってくるかといわれたら、
設備投資や開発コストがあまりかからず、
でも、売上を上げられている事業から、
ということになります。

キリンHDの場合は、それは
言わずもがなのビール事業なわけです。

ビール事業で稼いだお金を
ヘルスサイエンス事業につぎ込み、
ヘルスサイエンス事業を
「未来の稼げる事業」に育てる。

こんなことができればいいわけです。

ただ、これは口で言うは易しで、
行うのは難しいことでしょう。

なぜなら、儲からない事業を続けることには
長期的視点に基づく覚悟と勇気と忍耐と
なんといっても資金力が要りますから。

でも、でも、
これこそが経営者の役割・責任だと思うのです。

「未来の儲かる事業を見つけ、
そこにお金をつぎ込み、成長させる」ことが。
 
経営戦略の理論の一つに、
「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」
というものがあります。

資金と事業の流れを表したものです。
 
私は、これを28歳の時に知りまして、
「世の中の経営者というのは、
こんなすごい考え方をしているのか!?」
と感動したことを覚えています。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは、
どんな理論かというと・・・

『どこで稼いだお金をどこにつぎ込み、
未来の稼げる事業を育てるのか?』という内容を
論理的に示したものです。

以下の図をご覧ください。

 

 

縦軸が市場成長率、
この事業の市場が伸びているのか、
伸びていないのか、
伸びていれば、“高”いし、
伸びていなければ“低”い、
となります。

横軸は、相対的な市場のシェア。
自分たちの事業のシェアが
相対的に高いのか低いのかの軸です。

図には4つの象限があります。

●左上の「問題児(英語でProblem Child)」
 市場は伸びている。
 だから開発コストや設備投資などお金が必要。
 でも、シェアは低い。
 だから売上はあまりない。
 すなわち売上<コストとなり儲からない。

●右上の「花形(英語でStar)」
 市場は伸びている。
 開発コストや設備投資などお金がかかる。
 シェアは高い。売上はある。
 売上≧コスト

●右下の「金のなる木(英語でCash Cow)」
 市場は伸びていない。
 なので新たな開発も設備投資もそれほど必要ない。
 シェアは高く、売上はある。
 売上>コスト

●左下の「負け犬(英語でDog)」
 市場も伸びていない。
 シェアも低い。

金のなる木で稼いだお金を
問題児につぎ込み、
市場が伸びているうちに花形に育てる。

キリンHDの場合は、
ビール事業(金のなる木)で稼いだお金を
黎明期のヘルスサイエンス事業(問題児)につぎ込み、
ヘルスサイエンス事業を儲かる事業(花形)に
育てたということになります。

花形に育てたとはいえ、
まだまだお金がかかります。
いろいろな課題も残っていることでしょう。

しかし、今後はヘルスサイエンス事業が
市場の伸び率が鈍ってきたときには
金のなる木になる。

そこまでしっかりと
守り育てていかなければならない。

そして、また新たな問題児を見つけ、
ヘルスサイエンス事業で稼いだお金を
その問題児につぎ込んで、花形に育てる。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでいえば、
こうした長期的視点を経営者が持ち、
これをうまく回せる企業こそが継続していけると
いうことなのです。

キリンHDが次の問題児として
どのような事業を挙げているのでしょうか?

たとえば脳ヘルス領域、再生医療支援素材など
かもしれません。

私も事業という単位ではありませんが、
研修のコンテンツ、コンサルのコンテンツとして
問題児として挙げていることはあります。

花形(スター)に育てなければ・・・。

7月20日(日)に行われた参議院選挙。

自民・公明の与党は50議席に届かず、
新聞紙上では歴史的大敗との
見出しが躍りました。

これで衆参ともに少数与党ということに
なったわけです。

今回、自民・公明から議席を奪ったのは、
玉木代表の国民民主党と
神谷代表の参政党。

特に参政党は1議席から14議席となり、
大躍進となりました。
非改選の1議席を含めて15議席になっています。

この差はどこからきているのでしょう?

外国人問題を争点にして若者層を取り込んだから、
消費税減税か廃止か、はたまた給付かを
争点として子育て世代を取り込んだからか・・・

個人的にはもちろんそれもあると思っています。

が、もっと単純なところで
判断されているのではないか
という気もするのです。

一言で言ってしまえば、
「プレゼンテーション力の差」
です。

 

 

このプレゼンテーション力には、
伝える内容、伝え方に限らず、コンテキスト、
すなわち“見た目”、“雰囲気”も入っています。

そこの差で負けたのが
自民・公明の与党及び立憲民主党
ではないかと思うのです。

プレゼンテーションの本質的な目的は
「人を動かす」こと。

人を動かすプレゼンテーションこそが
いいプレゼンテーションといえます。

人を動かすには、
相手の頭(論理)と心(感情)を
揺さぶる必要があります。

どちらか片方だけでは行動につながりません。

『あの人の言っていること、頭ではわかるけど、
なんか感じるものがないんだよね』、
そんなこともあるわけです。

ちなみに、石破首相の場合は、
そのどちらもが足りていなかった、
更にコンテキストも足りていなかった、
と思えてしまいます。

特にコンテキスト。
目つきや態度も含め、
もう少し気を使って、何とかならないものかと
思うんですけどね・・・

ただ、今回のブログでは、
そのコンテキストのことは
ちょっと置いておいて、
『分かりやすく伝えるコツ』
についてお話をしたいと思います。


どれだけ論理的な内容であっても
それが相手に理解されなければ
意味がありません。

理解されなければ、
相手が「なるほどなぁ」となって
行動につながることはないですから。

どうしたら分かりやすく伝えられるのか、
石破首相が第217回国会における
内閣総理大臣施政方針演説(今年の1月24日)で
語った内容をネタにして解説したいと思います。

まずは、石破首相の演説内容。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『我が国の生産年齢人口は、
これからの20年で1,500万人弱、
2割以上が減少すると見込まれます。

このような中、かつて人口増加期に
作り上げられた経済社会システムを検証し、
中長期的に信頼される持続可能なシステムへと
転換していくことが求められます』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これ、書いた文章を読み上げてるだけで
頭で理解もできなければ、
心が揺さぶられることもありません。

まぁ街頭演説ではなく、所信表明の演説なので
こうならざるを得ないのかもしれません。

しかし、理解されなければ、
何のための所信表明演説なのでしょう。

これを聞いている人たちにとっても
時間の無駄になってしまいます。

だから分かりやすく伝えたい。

これは、石破首相に限らず、
プレゼンテーションする側は
聞いてもらう人たちの時間を無駄にしない、
という意識を持たなければならないと思います。

少なくともまずは分かりやすく伝えよう
という意識を持ってプレゼンテーションを
していきたいです。

そのためのコツをお伝えします。
今回は4つお伝えします。

・疑問形を使う
・数字は比較して使う
・伝える内容を予告する
・伝えるポイントの数を予告する


この4つのコツを
石破首相の演説で使ってみましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『我が国の生産年齢人口、
すなわち15歳から64歳の人口は
これからの20年で、どれだけ減少するか?
(疑問形を使う)

これからの20年で1,500万人弱が
減少することが予測されています。

現時点での生産年齢人口は7,344万人。
2割以上の減少となるのです。

この1,500万人とはどれぐらいの規模か?
東京23区と横浜市と川崎市を合わせた
人口が1,500万人。
これらの都市の人たちに相当する
生産年齢人口の人がいなくなってしまうのです。

オランダの人口が1,700万人です。
それに匹敵するほどの生産年齢人口が
この日本からいなくなってしまう。
これが20年後の日本の姿なのです。
(数字は比較して使う)

このような人口減少が加速する中、
我々としてどうしたらいいのか?
(疑問形を使う)

新たなシステムへと転換する必要があります。

では、新たなシステムとは
どのようなシステムなのか?
(疑問形を使う)

今から、具体的にお伝えします。
ポイントは大きく3つあります。
(伝えるポイントの数を予告する)

一つ目は、
足りない人手を技術で補うシステムです。

二つ目は、
みんなで働けるシステム。

三つ目が、
都会だけでなく地方も元気にするシステムです。

今からこれら一つ一つについて
具体的にお話をしたいと思います。
(伝える内容の予告)

一つ目の
「足りない人手を技術で補うシステム」とは、
AIやロボットなど新しい技術を使い、
少ない人数でも多くの仕事が
できるようにする仕組みです。

その仕組みを構築していきたい。

二つ目の・・・(略)

次にこのような新たなシステムを構築するには
どうしたらいいのか?
その方向性を我々はこう考えています。
(疑問形を使う&伝える内容の予告)

そのための第一歩は、
人口が増えていた時代に作り上げられた
経済社会システムを検証することです。


具体的にどのように検証するかといえば
(伝える内容の予告)

・・・』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このような伝え方をすれば、
それなりの時間が必要にはなるでしょう。

しかし、聞いている側の理解度は
高まると思うのですが、いかがでしょう?


ちなみに石破首相、参院選の演説で途中から
何かに感化されたのか、
誰かからアドバイスを受けたのか、
聴衆の感情に訴えることを
取り入れようとしていたように思います。

しかし、残念ながら、
これまた大きく外してしまってました。

左手の甲にメモ書きして、
それをちらちら見ながら演説されても
それにばかり目が行ってしまい、
誰も心が動かされなかったのではないかと
思えてしまいます。。

以下、富山県高岡市での演説。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『この高岡(富山県の高岡市)、
ここにしかないものってのがたくさんあります。

高岡だけですよ、氷見だけですよ、
あなただけのサービスですよ、
そんなものがここにはたくさんあります。

直径14cmのコロッケというのは、
日本中にここしかない!

丸長(精肉店)さんのコロッケは
実においしい。

ニューオータニ高岡も本当に美味しい。

(精肉)肉富さんのコロッケもおいしい。
天狗乃肉(石崎精肉店)も美味しい。
万葉の里も美味しい。

美味しいコロッケ食べようと思ったら
高岡に来ようねって、
それは日本国中の人が今や知るに至っていて、
世界中の人が高岡のコロッケめがけてやってくる。

だって、ここにしかないんだもの。
直径14㎝のコロッケなんて』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

個人的にはかなり外してしまっている感があります。

なぜなら、この演説を聞いた高岡市の人たちが、
「そうだよ、うちにはコロッケがあるんだ。
これが高岡の誇りなんだ!勇気をもらえた!
自信をもって高岡市をPRしていこう!
ありがとう、石破さん!」

ってなるかと言われたら、ならないですもんね。 

弱い!
もう、ひたすら弱いです・・・
中日ドラゴンズ・・・

1974年以来の中日ファンですが、
かつてないぐらいに弱い。

2025年7月9日時点で、
借金10、首位とは14ゲーム差。

試合を見ていても、
同じプロ野球チームとは思えない弱さ。

社会人野球の強豪、
トヨタ自動車や三菱重工と対戦したら、
簡単に負けてしまうのではないかと
思えるぐらいです。

一応、現時点でセ・リーグの6球団中5位なので、
最下位ではないです。

が、最下位のヤクルトスワローズは、
ここ数年は弱い状態が続いていますが、
それでも、強くなる期待感があります。

が、中日の場合、今後強くなる兆しも見えず、
ファンとしては、何を期待して応援すればいいのか、
ストレス、徒労感ばかりが募る状態です。

ということで、そのストレス発散のために
今回のブログを書かせていただきます。
その点、何卒ご容赦ください。

 

 

なぜ、中日はこんなに弱いのか?

なぜ同じプロ野球チームとして
これほど差がつくのか?

立浪監督時代(2022年~24年)の弱さの要因と
今の井上監督の弱さの要因は違っているように
感じています。

どちらかというと今の弱さは、
与田監督の時代(2019年~21年)の弱さの要因に
近いと思っています。

長年にわたり弱い状態が続いている
(2012年以来Aクラスは1度だけ)のは、
球団としての経営方針など
フロントの課題がかなり大きいとは思います。

しかし、今回のブログは
現場のマネジメントに焦点を当て、
「真に心理的安全性の高い組織」と
「ぬるい組織」の違いから、
今の中日ドラゴンズの弱さの要因を
考察したいと思います。


先日、こんな試合がありました。

7月2日の横浜スタジアムでの対DeNA戦。

先発は今季、エース格として期待された高橋宏斗。

先頭から三振とショートゴロで2アウト。

3番の宮崎敏郎選手に対しては、
フルカウントからサードゴロで
打ち取ったかに見えました。

ところが、打球は高いバウンドとなり、
サードの佐藤龍世選手は
ボールと照明が重なったのか捕球できず、
ランナーを出すこととなりました。

(佐藤選手は、6月17日に
パ・リーグの西武から
移籍してきたばかりの選手。)

普通に処理していれば、
1回の表は三者凡退だったところです。
 
その後、4番の牧秀悟選手にはヒット、
さらに5番の松尾汐恩選手にフォアボール。

満塁となって、6番の井上絢登選手には
スプリットをとらえられ、満塁ホームランで4失点。
初回のこの4点が重くのしかかり、敗戦・・・。

その試合後の井上監督のコメントです・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『それは…もう(佐藤)龍世、責められんからね。
横浜スタジアムはよくあることだからね。
まあ、『照明が入った』ってところは
現役のころとかも知ってるし、三塁手も結構あるから。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これはもう弱い組織のリーダーが言う
典型的なコメントだと強く強く思うわけです。

メンバーがミスをしたり、
成果を出せなかったときに、
「仕方がない」なんてリーダーが
言う組織は強くなれません。

真に「心理的安全性のある組織」と
「ぬるい組織」の違いは、
特にチームとして成果が出せなかったときや
メンバーがミスをしたときに
現れると考えています。

心理的安全性のある組織はこうです。

成果が出ていないのはなぜか、
今回ミスをしてしまったのはなぜか、
どうしたら改善できるか、
どうしたら二度と同じミスを繰り返さなくなるか、
自分の意見や考えを伝えあい、
徹底的に話し合う。

もちろん、そこには以下のような
恐怖はありません。

発言しても、
「こんなことも知らないの?」と
無知を指摘されることの恐怖、

「あなたの能力・スキルが
ないからこういうミスをした」
と無能を指摘される恐怖、

「お前の言っていることは的を射てない」とか
「あなたの意見なんて誰も聞いてくれないよ」とか
「こんなミスをする人間はうちのチームに必要ない」と
邪魔者扱いされる恐怖、

「そんな細かいことを気にするなんて、
後ろ向きな思考の人だね。前向きにいこうよ」と
ネガティブに思われる恐怖、

こうした恐怖を感じず、話し合える。


もちろん、ミスや失敗の原因を
個人のせいにすることもありません。

組織全体で思うことを言い合って、
同じ失敗を繰り返さないようにする、
それが真に心理的安全性のある組織です。

ぬるい組織は、これができない。

成果が出せていないこと、
ミスしたことについて
「こういうこともある、
次に成果を出せばいいよ」とか
「まあ、気にせず次頑張ろう」とか
「これは誰も責められない、仕方ないよ」とか
耳障りのいい言葉を言って、
そのミスや失敗を活かそうとしない。

そこから何も学ばない。

中日の事例でいえば、
試合の敗因を分析すれば、
このサードが捕球できなかったこと
(記録はヒットですが)は
大きな敗因の一つのはず。

もちろんその後、ヒットとフォアボールを許し、
満塁ホームランを打たれた高橋宏斗も悪い。
 
しかし、それでも大量失点の
きっかけになったのは、
サードの佐藤龍世のミスです。

それを仕方がないと言っていては
『ぬるい組織』なのです。

リーダー自らがぬるい組織にしてしまっている。

今までの話をマトリックスでまとめると
こんな感じでしょうか?

それと、この試合後の高橋宏斗投手の

コメントは以下の通り。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「初回のプレーは仕方ない。

(佐藤)龍世さんは試合中、守備で助けてくれた。

それよりも、あの後につながれてしまった僕が悪い」

 

「(2回以降は持ち直したものの)

今、僕は全く信頼がない投手。

一から信頼を積み重ねていくしかない」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

なんか相手の気持ちを慮りすぎて、

無理に自責の言葉を

使っている気すらしてきます。

 

例えば、以下のように言ってこそ

強いチームなのかもしれません。

 

『私は、投手としての責任を全うします。

野手もその責任を全うしてほしい。

その責任が全うできなかったあの場面で、

何があのミスの原因だったかを

徹底的に考えて、再発を防いでほしい。』

 

これが選手同士で言えたらいいとは思いますが、

さすがにこれを言ったらギスギスしそうです。

 

であれば、コーチなり監督が

ちゃんと再発防止のための話し合いができる場を

設けることが必要になるでしょう。

 

横浜スタジアムでよくあることと分かっているなら、

内野守備走塁の堂上コーチが、

なぜ、その情報を西武から移籍してきて間もない

佐藤龍世にしっかりとブリーフィングして

おかなかったのか?

 

今回のミスを防げていたとしたら、

何をしておけたらよかったのか?

 

そこをしっかりと考えなかったら、

今後も同じ失敗を繰り返してしまうと思います。

 

で、また仕方がないで済ませる。

 

これでは経験から学び、

成長する組織にはなりません。

 

少し古い話になりますが、

日本サッカー代表の監督に

森保一氏が就任した当時、

チーム運営の方針に関し、

テレビで以下のような発言が

取り上げられていました。

 

「選手にかみなりを落とさない。

『あの局面ではどうしたら良かった?』

問題を投げかけ、選手同士で解決させる」

 

 

ミス・失敗に対して、個人を責めることなく、

でもそのミス・失敗から

組織としての学びを得るために、

徹底的に言い合える場を作る、

それが心理的安全性のある組織。

 

失敗を仕方ないで済ませて、

失敗から学びを得ようとしないのがぬるい組織。

 

最後に、この違いはどこから生まれるのかを

考えてみたいと思います。

 

これは、成果に対する執念の違いから

来るのではないかと考えています。

 

プロ野球で言えば勝つこと。

企業で言えば利益を出すこと。

 

さらに言えば、その成果への執念は

どこから生まれるかと言えば、

人を喜ばせたいという想いの強さ

からではないかと思っています。

 

要は中日ドラゴンズの場合、

ファンを喜ばせたいという気持ちがなさすぎる

のではないかと思うのです。

 

勝つことが最大のファンサービスと言っていた

落合元監督の言葉はまさに的を射ていると思います。

 

ぬるい組織はお客さまや世の中の人たちを

喜ばせようというよりも、

組織内でお互いが傷つかないように

することを優先させる風土が

あるのではないでしょうか?

2025年6月23日(月)の日本経済新聞36面に
あるコンサルティング会社の広告が
掲載されておりました。


『企業のドクター橋本環奈に聞きます。
中小企業のお悩み相談室003』


どのような「お悩み」が
書いてあったかというと・・・

中小企業経営者S氏からのお悩みとして、
こんな悩みが挙げられました。

『ペーパーレス化がなかなか進まず、
業務効率化が必要で・・・』

もしも、あなたがこんな悩みを
伝えられたら、どのような回答(対応)を
されますか?

Dr.橋本環奈の回答(対応)は以下の通りでした。

『社内の稟議書も、紙だと複数の上長の確認に
時間がかかったり、偶然のリスクもありますよね。

○○社の「ワークフロー」機能があり、
確定書類の承認状況などを、
PCやタブレットやスマホから確認でき、
紙を印刷する手間とコストを節約し、
『圧倒的な業務効率化と高速化が実現できます』

 

これが、お客様と営業担当者との
商談の場面であれば、
お客様から「こんなことで悩んでるんだけど・・・」
と相談を持ち掛けられ、

営業担当者が、
「それであれば、私共の●●(製品・サービス)で」
解決できます」
とマクロをしている気がします。

Dr.橋本環奈の場合は、
広告記事、当然こうなります。


しかし、これを営業担当者がお客様との
商談の場面で行っていたところ・・・

NGなのです。

万が一、このような商談を行っている場合は、
営業担当者として、残念ながら成果も
思うようにできていないことが予想されます。

さて、営業担当者として
お客様のご相談を受け付けております
やってはいけないことを
してしまっているからです。

営業担当者が、お客様からのご相談を
伝えられた時にやってはいけないこと・・・

それは・・・

「すぐに提案すること」

です。

 

これが、お客様と営業担当者との
商談の場面であれば、
お客様から「こんなことで悩んでいるんだけど・・・」
と相談を持ち掛けられ、

営業担当者が、
「それであれば、私共の●●(製品・サービス)で
解決できます」
と返答をしている感じですね。

Dr.橋本環奈の場合は、
広告記事ですから、当然こうなります。

しかし、これを営業担当者がお客様との
商談の場面で行っていたとしたら・・・

NGなのです。

もしも、このような商談を行っているとしたら、
営業担当者として、残念ながら成果も
思うように出せていないことが予想されます。

なぜなら、営業担当者として
お客様の相談を受けた際に
やってはいけないことを
してしまっているからです。

営業担当者が、お客様から相談を
伝えられたときにやってはいけないこと・・・

それは・・・

「すぐに提案すること」

です。

『いや、いや宇井さん、営業マンなんだから、
お客様に解決策を提案するのは当たり前じゃないか、
それをやっていけないとはどういう了見なんだ』、

という声が聞こえてくる気もします。

もちろん、営業ですから、
お客様から伝えられた相談内容の解決策を
提案する必要はあります。

が、問題はタイミングなのです。

相談されたら、
こりゃラッキーといって、
“即”提案をしているようではよくありません。

提案の前にお客様の現状等々を
把握すべく問いかけていく。

問いかけることで、
お客様の状況を事実として把握していく。

そこで得られた事実情報に沿った
提案をするのです。

 



お客様の状況を把握する問いかけとしては、
以下のような問いかけがあるでしょう。

「業務効率化を図ることで、
出したい成果があるとしたら、
どのような成果ですか?」

「業務効率化は、
どんな指標で判断されていますか?」

「業務効率化は、具体的にどれだけの
効率化を図っていきたいと思われていますか?」

「現状の業務効率化レベルってどれぐらいですか?」

「業務効率化を最も図りたい業務は、
どのような業務ですか?」

「業務効率化の対策として、ペーパーレス化を
挙げたのはどのような理由からですか?」

「ペーパーレス化がもっとも進んでいないのは、
どのような業務ですか?」

等々・・・

こうした情報を事実としてしっかり取ることが
まず営業マンとして行うべきことなのです。

決して、即提案ではありません。

こうした事実情報をしっかり取らずに
提案をしてしまうと、お客様の問題解決には
的外れな提案である恐れが大きくなります。

情報を取るからこそ、
お客様の実情やニーズに合った
的を射た提案ができるはずです。

こうした営業担当者として求められる
質問のスキルを高めるためのスキームを身につけて、
質問を自由自在に操りながら、
お客様のご要望・ニーズを
思いのまま引き出せるようになる、

そんな研修を、独立行政法人中小企業基盤整備機構、
中小企業大学校瀬戸校主催で開催します。

●「実践で学ぶ!提案営業の進め方」

 ・主催:中小企業大学校 瀬戸校
 ・日時:前半 2025年7月10日(木)・11日(金)
     後半 2025年8月21日(木)・22日(金)
 ・会場:中小企業大学校 瀬戸校
 ・詳細・お申込みはこちらから

【過去の受講者の声】

※研修受講後2週間から4週間後にいただいた声です。

●株式会社T K.Tさま
『「嬉しい、喜ばしい、お辛いですね」の共感のメッセージと
「周囲への良い影響を伝える」承認のメッセージ、
「御社としてゴールはどのようなイメージですか?」や、
「あえてお尋ねするのですが」の話法を取り入れ、
営業トークからSNSまで実践したところ
驚くほど好反応でさっそくこんなデザイン・製法を考えてみてと
以前より、倍程度の見積をいただくようになりました。』

●株式会社K    S.Yさま
『研修でご教示いただいたスキームを
頭に描きながら商談を進めることで初対面であっても、
今までより深い次元の話ができるようになった
という感覚があります。
まだまだ完全に身につけたとは言えませんが、
教わったこと一つ一つを
日々自分のものにしていきたいと思います。』

●A社 K.Nさま
『計4日間、「提案営業の進め方」講習に
参加させて頂きありがとうございました。
大変勉強になり、今後、実践にも活かして
行きたいと思います。
色々講習会参加させていただいておりますが
一番実践に近い・活かせる内容でございました。
私ごとではありますが6月に管理職となり
新任管理職ということもあり、
心得についても「常に勉強」すごい心に響きました。