東方遠征で知られる大英雄アレキサンダー大王(前356~323年)は弱冠二十歳でマケドニアという小国の王位を継承した。


 彼の教師はプラトンの弟子アリストテレスである。


 遠征の前夜、宴会を催す。そこで彼は領地や森林や財宝など自分の持ち物全てを仲間(部下)に与えてしまった。

 

 ある貴族が王に尋ねた。「王よ、あなたには何も残らないではないですか?」。アレキサンダーは言った。「私には希望がある」


 破竹の勢いで連戦連勝したアレキサンダーは4万の兵を率いてペルシャ100万の大軍と最後の決戦に臨む。部下の将軍が進言した。「この大軍に勝つには、夜襲しかありません」。


 アレキサンダーは言った。「私は勝利を盗まない」。


 ペルシャ側は夜襲を予想し、全軍完全武装で眠りを断った。一方、ぐっすり眠って元気一杯のギリシャ軍は一気呵成に敵陣を蹴散らして完勝した


 日本の現状は極めて厳しい。日本の未来に希望はないのだろうか? 


 否。


 一番深い闇は暁暗を孕む。絶望してはならない。矜持を捨てて「勝利を盗む」ようなことをしてはならない。断じて魂を売るな。


 我々は勇気を持って良心に忠実に生きようではないか。自他非分離(良心)のネットワーク」。そこに未来共創の実像がある。

ambisusという京都のラジオ番組を聴きました。第一回目に豫洲短板産業の森晋吾社長が登場。森社長は、日本熊森協会の活動を9年間自主的に続けてきた人で、地球環境問題に対する思いは本物だと思っています。


 豫洲短板産業はステンレスやチタンを国内の中間業者に在庫販売するという工業系ですが、森社長や森清市会長、関連会社の森隼人社長らは、日本とアジアの環境問題に当面の焦点を定め、一方で企業収益を上げながら、永続的な地球を共創するにはどうすればいいか、真剣に考え行動しておられる。


 日本のモノ造りの資質はプロジェクトXがそうだったように、世界に冠たるものがあります。しかし、今、世界のグローバル経済の競争の中で、中小のモノ造り会社の存在感が薄くなってきているように思われます。

 

 しかし、いくら栄養のある物を食べても、腸の中の微生物が働かなければ人間として生きていけないように、中小企業を元気にしなければ、結局日本は元気になれません。日本全体が栄養失調になるでしょう。

 

 森社長はそこに気が付き、中小企業が力を合わせて、まず地球環境に適応した技術の開発をして共に世に問うていくという、連帯の輪を創りはじめているわけです。そういうお話が、ラジオでありました。


 グローバル資本主義の特徴は力あるものの一人勝ちですが、生き残るための競争現場の中に、地球環境問題という公共的な問題意識をもつことは却って邪魔になるでしょう。しかし、永続的未来への志の行動なくして、現在の安寧も保証されない時代がやってきたように思われます。


 これからは「独創」ではなく「共創」の時代です。「共生」の時代です。

 

 一人ひとりが、組織よりも「人間」「健康」「共生き」を大切に、己の良心に問うて行動する、そういう時代に入りました。


 全ての人間は、「良心」という、かけがえのない心の芯を持っています。

 

 その良心のネットワークを、繋いでいきましょう。


 『未来共創新聞』はそのネットワークを繋ぐための「場」になります。

 

 

 


 

『未来共創新聞』の3月15日号が校了しました。ちょっと難しいかもしれませんが、じっくり読んでいただければ、クオリティを感じていただけるのではないかと思いますが……。


 最終面はケーエムフーズの三木勝正社長を紹介しています。

 三木社長は兵庫県須磨の生まれで幼いころから山に海に川に、自然の山菜や魚をとって走り回る自然少年でした。お母さんは、人のことばかり心配して自分のことは構わない菩薩のような人です。そんなお母さんの心根をついで三木社長も、将来世代や地球の未来を考える、心優しい人です。


 カタクリの花をご存じでしょうか。紫の可憐な花です。春になると美しい岐阜蝶が飛来して甘い蜜を吸います。秋の種は地に落ちて蟻の巣に運ばれ、巣から芽を出すのに3年。芽を出してから花を咲かせるまでに更に8年。そしてカタクリの根が地下に深く根付く大木に成長するまでに合計30年を要します。


 このカタクリの根から採るのが片栗粉です。現在市販の片栗粉はジャガイモのデンプンが原料なので本物ではありません。


 三木社長は、父の如く慕い尊敬する料理人の方の思いに触発されて、大阪北摂の畑の土手にカタクリの種を蒔き、30年後には片栗粉がいっぱいつくれるカタクリの林にしたい、その時は、国内と世界から、観光客が北摂の地を訪れるだろうと、夢を語り、今その実践をしています。


 そんな三木社長のことを少し記事にしました。是非お読みください。


 日本には古来、素晴らしい食材があり、美しい自然があり、心優しい人々がおり、深い文化があると思います。戦後の日本人は、自信を失い、過去の美しい文化や、日本人の本来の優しい心根まで否定、疑問に思い、ただただ欧米を追いかけてきたという一面があります。


 もちろん欧米は欧米で素晴らしい文化と伝統があり、大いに学ぶべきなのですが、ルーツを忘れ根を離れて美しい花は咲きません。


 カタクリの林が片栗粉の食文化を蘇らせるように、私たちも、もう一度、日本文化の深層に目を向けてみようではありませんか。