今日は8月6日。
そして、奇しくもある出来事に心が揺さぶられ、
いろんなことを考えさせられた日でもありました。
親がいること。
兄弟姉妹がいること。
夫がいて、妻がいること。
子供がいること。
それは、当たり前ではありません。
毎日毎日、あらゆる事故や病気の可能性をくぐり抜けて、
すごい確率で、平穏無事でいる。
それは、ものすごい奇跡です。
毎日毎日、ありがとう、ありがとうと唱えなくていいと思う。
だけど、その奇跡のような幸せの上にあぐらをかいて、
当たり前だと思って、
ぞんざいに扱っていると、
その幸せを、無くしてしまうかも知れません。
無くしたあとに気づいても、遅いのです。
無いものを数え嘆いても、
他人の幸せ(そうに見える姿)を羨んでも、
何も変わりません。
今、家族や、大切な人が生きているなら。
そばにいてくれる人がいるなら。
その人たちを、大切にしてください。
自分を大切にしてくれる人を大切にせずに、
憧れ追い求める人や物事ばかりに心を囚われる。
それって、おかしい。
自分を大切にしてくれる人から、まず大切にしなきゃ。
世間的な評価、賞賛は、
それは誇らしく、大切なものかも知れません。
ですが、私が思うに、
そんな評価や賞賛は、冷淡なもの。
国宝級の働きでもしない限り、
人生の最後まで、寄り添ってはくれないのです。
家族は、代わりがいません。
親も、兄弟も、夫も妻も、
特に子供は、
あなたしかいない。
あなただけしかいないのです。
人生の決断をしたとき、
美味しい部分だけを選んで受け取ることはできません。
全部受け取らなきゃいけない。
覚悟がなければ、受け取れるものではないと思います。
私と母は、お世辞にも仲のいい親子ではありませんでした。
でも、亡くなってから分かるのです。
母だけは、
たとえわたしが犯罪者になろうとも、
どんな姿に落ちぶれようと、
たとえ世界中を敵に回しても、
最後まで味方だったろうと。
生前にもっとああしておきたかった、こうしておけばよかった、
後悔ばかりが残ります。
どんなに手を尽くしても、後悔は必ずするもの、と言いますが、
でも、今、家族がいる人は、きちんと抱きしめてあげて欲しい。
家族がいることは、当たり前じゃないんです。
すごく尊くて、奇跡のような存在。
そして、お互いに、代わりが居ない存在。
「あること」から生まれる不満は、贅沢です。
「ないこと」を嘆けば、地獄です。
あるとかないとか、そんな事を考えらる余裕がないほど、
困窮している人もいる。
幼くして天涯孤独になった子どもの、なんと多いことか。
そこに向かって、なにかをしてください、とか
なにかをしなければいけない、と言っているのではないのです。
自分の幸せをしっかりと自覚し、
大切なものは何かを知るだけでいい。
それだけでいいんです。
まずは、自分が、大切な人が、
生きていることの奇跡に感謝してほしい。
それだけです。
わたしも、無いものに目がいくと、
とてつもなく不安で悲しいと思うこともある。
でも、思っているような形じゃなくても、
別の形できちんと幸せは手の中にあるんだと気づいてからは、
その気持ちがわたしの中に、長く滞在することはなくなりました。
生きていて、元気で、普通の生活が出来て、
自分の好きな仕事が出来て。
これって、すごく贅沢で幸せなことなんです。
でも、時々思います。
嬉しいことも悲しいことも、
いつもそばにいて、分かち合える人がいたら、
どんなに心強く、うれしいことか。
だから、
大切な人を、
大切にしてくれる人を、
大切にしてください。
明日はわからない。
大切な人がいて、抱きしめられるなら、今。
今だけが確実に存在するのです。
8月6日に寄せて。