プロフェッショナリズム - 世界観を広げる | コンサルサルのぶろぐ-思考、読書、雑感などを語る

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昨年劇的な形で現役の幕を閉じたプロ野球・巨人の代走のプロ 鈴木氏の記事です。

将来指導者になるために様々枠を超えて挑戦する。

指導者自らがモデルを示せるように、そのための準備をする。

枠を超える新しいモデルを作っていたく事の大切さを学びます。

 

元巨人の鈴木尚広氏が東京マラソンに挑戦 「完走しようというのが目標」

http://news.livedoor.com/article/detail/12516671/

 

昨季限りで引退した巨人の代走のスペシャリスト、鈴木尚広氏(38)が2月26日に開催される東京マラソンに出場を予定していることが9日、明らかになった。将来、指導者になるために見聞を広げ知識を吸収するために、野球の枠のとらわれず、あらゆる分野へのチャレンジを考えている鈴木氏が、まず最初の目標に掲げたのが東京マラソンへの出場だった。

「これからはやりたいことは自分で決めることができます。まず東京マラソンに挑戦します。目標タイム? いえタイムとかじゃなく、完走しようというのが目標です。とにかく野球しか知りません。巨人時代にできなかったことに挑戦してみたいのです。そういう経験の中で、良くも悪くも何かを感じることができればいいんです。東京マラソンも新鮮な世界ですから、そこから自分の世界観が広がっていけば面白いじゃないですか」

 巨人時代の15年間で通算228盗塁を記録。盗塁成功率の.829は、通算200盗塁以上の選手では歴代ナンバーワン。しかも、代走で成功させた132盗塁は日本記録という足のスペシャリストではあったが、長距離のマラソンとなると初経験。現役時代はオフに中央大の陸上部に入門し、塁間の走力だけでなく、シーズンを通じた筋持久力を意識して10キロ走などを練習に取り入れるなどしてきたためスタミナも十分。

 また徹底した準備にこだわり、午前5時に起床、試合前の7時間前には球場入りをして、体を温めストレッチ、体幹トレーニングなどを欠かさず、38歳にして30メートル走のタイムがアップするなど、引退は決意したが肉体面での衰えはまったく感じさせず、体脂肪10パーセント前後の精密機械のような肉体を保持してきた。 引退後は、ほとんど体を動かすことがなく、一日一食の生活を続けているうちに体重がさらに落ちてきたというが、年明けから東京マラソンに向けて始動している。

「現役時代は、無駄な筋肉はいらない、動ける筋肉があればいい、という考え方でした。引退してからは、動いていないので食べる必要がありません。食べたいとも思わないので、夕方に食べるくらいの一日一食の生活を続けていたら痩せてきました。でも今は一日二食。年明けからもう一度、体を作り始めています」

 完走を目標に掲げたが、3時間を切るのか。どれくらいのタイムで初マラソンを走るのか興味深い。

 将来、指導者を目指す鈴木氏には、ひとつのポリシーがある。

 それは「もし、自分が現場に指導者として戻るなら、選手に実際に手本を見せてあげないといけないと思うんです。そこでボテっとした体で動けなかったら、選手もイメージがわかないでしょう」というもの。だからストイックな生活は続くし、東京マラソンなのである。
 

 鈴木氏は現役時代からスポーツ医科学や運動生理学、肉体のメカニズムに関心を持ち勉強をしていたが、これからはさらに本格的に研究、追及をしたいと考えている。

「将来的には大学で勉強したいと考えています。でも今はその前の段階です。大学では、むずかしい言語、専門用語、知識などが必要です。それを理解する基礎を大学に行く前に、しっかり学んでおくべきだと考えています。例えばこの筋肉を動かすにはどうすればいいかというような、体のメカニズム、そしてメンタルのコントロール手法などを今以上に知っておきたいのです」

 鈴木氏が目指すのは、日本球界の常識を覆すようなハイブリッドコーチ。つまり野球の技術を教えるだけでなく、トレーナーやフィジカルコーチ、育成コーチ、メンタルコーチの知識までを兼ね備えた新しいスタイルのコーチだ。おそらくそれは前代未聞の指導者像となるし、そのためにも東京マラソンなどへ参加して自らを実験台に視野を広げたいのだ。

「トライアストンもやってみたいし、富士山も登ってみたいのです」とまで言う。

 もちろん、今季は野球解説の席にも座る。 

「野球解説はしていきたいです。日本シリーズの解説をさせていただきましたが、立場が変わると、“野球ってこんな長いの?疲れるよな”と感じました。試合時間の短縮が叫ばれていますが、その理由がようやくわかりました。でも試合を見ていると、初回からの流れがあって、色々と見えてきます。ベンチで僕はずっと、そういう流れを読みながら野球を見てきましたが、解説席から見ると、さらに視野は広くなります」

 その先にあるのは、やはり巨人への恩返しである。

「巨人の伝統というか、チームカラーは、勝つことが当たり前の中で生まれる緊張感であり、その緊張感の中で成長させていだきました。勝つために何をするかを考えて、みんなが自分で動きます。自分で動かなければ結果も出ないという切羽詰まった感、いつも追い込まれているプレッシャーが巨人にはあり、それが自分を叩きあげてくれました。それを僕はモチベーションに変えていきました。それが巨人。悪いときがあっても優勝争いに参加していく。いつも堂々としているんです。それが巨人でした。僕が決められることではありませんが、この巨人への愛着をいつか還元させていただきたい。そういう気持ちで視野を広げたいのです」

 心に抱く巨人への熱い思い。
 東京マラソンの号砲が鳴る2月26日。長距離の足と短距離の足は違うと言われているが、“神の足”と呼ばれた男は、初挑戦のマラソンでどんな走りを披露してくれるのだろうか。

 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)