自分の経験を中心に若手コンサルタントに求められる能力・経験・資質を徒然なるままに綴っています。
今日は「できる限り手を挙げていく」について書きたいと思います。
この「できる限り手を挙げていく」というのは、自分がやりたいこと、やってみたいということに積極的になれと捉えらがちなのですが、私のニュアンスは少し違います。ここで「できる限り手を挙げていく」というのは、自身にとって足りない力や経験を補う機会があれば、たとえやりたくない/背伸びしているプロジェクトやイベントでも積極的になってもらいたいという意味です。
私のキャリアのスタートは、ERP(基幹業務システム)のコンサルタントでした。入社したときのコンサルタントのイメージとは大きく異なったものの、お客様の業務改善をし、ITによってお客様の業務をよりよくする、会社の利益に貢献するという部分にやりがいを"見出し"、取り組んだことを覚えています。とはいえ、自身の苦手な領域も多く、最初は様々戸惑いました。それでも当時のキャリアアドバイザーからは「将来、戦略コンサルなどの上流をやるにしても、今はしっかりITをきちんと勉強したほうがいい」とアドバイスされ、真剣に取り組みました。
私も当時は生意気である共に素直だったので(笑)、ERP導入プロジェクトの”いろは”をきちんと学ぼうと思い、上流(要件定義)~下流(保守)までできるプロジェクトを希望しながら働いていました。2年目の時に、あるプロジェクトが終わり、次のプロジェクトを選択する機会がありました。当時は好景気で7-8個のプロジェクトを選択する機会に恵まれ、そこには当時の私がやりたいと思っていた上流のプロジェクトも含まれていましたが、あえて「ど」システム構築の下流まで経験できるプロジェクトに手を挙げました。自分にとっては挑戦です。
結果的にはこれが正解でした。若いながらもある領域を丸ごと任せてもらい、2年目~3年目までに上流から下流の全フェーズを経験させて頂くことができました。この経験がなければ、今若くしてプロジェクト全体をリードする立場にもなれなかったでしょうし、次の回で話をする修羅場を潜り抜ける能力も身に付かなかったでしょう。
その後は、極力人が嫌だと思う仕事でも、積極的に手を挙げて拾う仕事の姿勢を持つようにしています(もちろん毎回毎回できているわけではありません)。この姿勢があると、お客様、仲間や上司からも信頼され、いい仕事が回ってくるようになります。そして、本当に自分がやりたいと思える仕事の際にも、手を挙げて希望が通るようになるでしょう。
コンサルタントと言うときらびやかなイメージを持ち、若い時からがんがん前にでて仕事をすると思われている方も多いと思いますが、裏方の仕事が最初は多いです。そのイメージギャップを受け入れ、どれだけ誠実に仕事ができるかが、個人的には大事なのではないかと思います。