| スモール イズ ビューティフル (講談社学術文庫) | |
|
F・アーンスト・シューマッハー 小島 慶三 講談社 1986-04-07 売り上げランキング : 19633 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今日の資本主義、市場経済に対する一石を投げたのが本書。
マクロ的な経済成長またミクロでは利潤・効用の最大化こそが究極の目標と考えられている現代経済学において、単純で小さい世界だからこそ素晴らしい部分もあるのではないか、制御ができるのではないかということを本書では伝えている。
グローバル化された今日の社会はやはり様々な面で統治が難しくなってきており、今日の技術革新によって、人間でも制御できなくなってしまったモノやコトがあるのではないかということを私自身も考えさせられた。
その最たる例が原子力であり、本書でもその点について警告をしていたのが印象的だった。
いくつかの文章を引用しておきたい。
「自然という資本」(省略)を人間が造ったもの、したがって、ご自慢の生産性の向上で取替えがきくものとみなしているのである。P26
仏教経済学の研究を、(省略)「正しい生活」を見出すことである。P80
今やあらゆるモノや人が動きまわるようになってきた。そのため、すべての構造が脅かされ、かつて見られなかったほど脆くなっている。P89
技術の第一の役割は、人間が生命を保ち、能力を伸ばすための仕事の重荷を軽くすることだと言えばよいだろう。P197
ガンジーが語ったように。世界中の貧しい人たちを救うのは、大量生産ではなく、大衆による生産である。P204
開発についてのあらゆる考察の出発点は、貧しさ、というよりは悲惨な極貧、人間を人間以下のものに堕落させる貧困である。P221
最良の援助は、知識の援助であり、役に立つ知識を贈ることである。P257
開発ということは、(省略)援助国でも被援助国でも、私がABCの連結と呼ぶ結びつきを作りあげる必要がある。P262
A 役人 B ビジネスマン C 伝達者
社会主義について、(省略)その意義は、第一には社会主義の中にある経済面以外の価値、第二にそれが経済学という宗教を打ち砕くのに役に立つという二点につきる。P331
科学・技術の力の発達に夢中になって、現代人は資源を使い捨て、自然を壊す生産体制と人間を不具にするような社会を作り上げてしまった。P380
