グローバルリーダーになるための思考力② ロジカルシンキングⅡ Part2 | コンサルサルのぶろぐ-思考、読書、雑感などを語る

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ロジカルシンキングを更に強化させるために前章では「心得」を学んだ。本節では心得と共にロジシン強化のための「ツール」について一緒に学んでいきたいと思う。ツールも文字通り、あくまで「手段」である。これが使えた・使えないでロジカルシンキングの能力が劇的に変化するわけではない、しかしこのツールを「知る」ことで、「相手にわかりやすい」と思わせることがより容易になるだろう。


そのロジカルシンキングの3つのツールとは「ロジックツリー」「マトリックス」「プロセス」である。どれも聞いたことがあるものではないだろうか。このシンプルなツールを使いこなすことで、みなさんのロジカルシンキングをより強化することができる。



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ツールを使うメリット ― それは思考を「見える化」することができることにある。ロジカルシンキングが苦手という人に多いのが、次々と思考が連鎖するに従って、過去に考えていたことを忘れたり、複雑になってしまったりしてうんざりするということである。確かに論理を詰めていくことは非常に骨が折れる作業であるが、このツールを見えるかすることで、その「うんざり」がだいぶ軽減されるだろう。


それでは一つ一つのツールを見ていこう。



2-1 ロジックツリー


このロジックツリーは正にロジカルシンキングの代名詞とも呼ぶべきツールである。「樹木図」と呼ばれることもあるが、① 大きいテーマや問題をブレイクダウンシ、細分化していく。または、②小さな問題や事象を積み上げて、一つの集合体として捉えるために使用される。


このロジックツリーのメリットはそれぞれ、①全体を見て考える、②考えの幅が広がる、③他人に説明をしやすくなり、論理的に物事を伝えやすくなる という3つである。図解化されることで、先ほどのツールのメリットで述べたとおり、マクロでもミクロでも捉える事が可能になる。


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このロジックツリーを作成する上で意識をしてもらいたいのが「MECE(ミーシー)」である。

MECEとは、”Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”の頭文字を取った言葉であり、「各事柄間にダブり(重なり)がなく、全体としてモレがない」状態」を指す。




下図を見ながら考えるとなぜMECEが大事なのかわかりやすい。


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例えば、あなたは旅行業者の企画担当だとする。何か旅行の企画を立てるときに、国内旅行の企画にするか、海外旅行の企画にするか、はたまた日帰り旅行の企画にするか・・・。下図にある通り、日帰り旅行は国内旅行でも海外旅行でも存在する。よって国内・海外旅行と同じレベルでは考えてはいけないのだが、MECEを意識しないと論点がずれてしまうのである。今回のケースは「ダブり」のケースであるが、「モレ」の場合も同じである。


一方でMECEを意識しすぎることもよくない。あくまでロジカルに考えるときの哲学のようなものであり、これもまた忠実に守る必要はないのである。またロジックツリーもほどほどに作るのがいいだろう。作り出すと本当に枝葉をたくさんわけることができる。基本的には3段から最近は4段くらいが適当ではないかと思っている。




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2-2 マトリックス


マトリックスは、「異なる2つの切り口を座標として、異なる切り口の相関を見たり、全体の中でモレている部分を発見する」ツールである。このマトリックスを用いることで、沢山の情報や要素を整理して、課題や問題が明確にすることができる。




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例えば、あなが自分英語力と留学についての関係性を知りたいときにマトリックスを使うと非常に整理される。



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あなたがもし留学したいが英語力はないとすると「まずは英語力をつける!」という結論を導出できる。一方で英語力も留学もしたくないとすると別の方向性を見出さないといけないことが下記のマトリックスからもわかるだろう。自分の立ち位置を知るためにこのマトリックスは有益である。


2-3 プロセス

このプロセスも皆さんからすると普通じゃないの?と思うものかもしれない。一方でこのプロセスを意識することはロジカルシンキングを鍛える上で非常に有効である。まずプロセスの定義は、「物事の流れを区分して、各プロセスの中から問題や課題を分析するために活用される」というものである。このツールを使用することで、物事全体を分解し、どこに課題があるのかを明確にすることができる。


勉強でも仕事でも何か一つのアウトプットを出すために皆さんも作業手順を洗い出すだろう。」あれやってから、これやって、そしてこれを作って・・・」といった思考はいつでもやっている。この作業手順を考えること自体、ロジカルに考えている証拠なのである。これからカレーライスを作るのに、そばをゆで始める人はいないだろう。カレーを作るために① 野菜を切って ② 肉から炒めて・・・といった感じでカレーライスというアウトプットを出すために論理的に物事を考えているのである。これがプロセスである。



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このカレーライスを作るに当たって、現状を見たときにお肉がないことを発見すると、これが課題となり、どうするか対応方法を考えるはずだ(少し仰々しいかもしれないが・・・)。一方でプロセスを意識していないと、いざ肉を投入するときに課題に気づき、緊急対応をしないといけない。


ロジックツリーやマトリックスよりもプロセスはもっとも身近に使えるツールかもしれない。プロセスを意識し、どうやったら前後関係をスムーズに流せることができるか、障害は何かなどを意識するとロジカルに考える力を強化することができるだろう。




さて「ロジックツリー」「マトリックス」「プロセス」という3つのツールについて紹介をしてきた。他のロジカルシンキングの書籍を読むと、この他に様々ツールが紹介されているが、まずはこの3つのツールを知ること。またそれ以上に大事なのはこのツールを実際に使ってみることである。野球やサッカーなどスポーツの練習と同じでロジカルシンキングは訓練すれば絶対に鍛えられる。


私の講座を受けてくれた学生さんの事例でも、最初は本当にロジカルの「ロ」の字もわからなかったメンバーがロジカルに考えることを意識し、日々練習することで見違えるように論理的に考えられるようになったのを目の当たりにしてきた。ぜひこれらのツールを実践していただきたい。