考えること V.S 知ること
考えることと悩むことは似て非なるものと理解して頂いたと思うが、「考える」ことと「知る」こともまた異なることを理解する必要がある。
図2-1を見て頂きたい。あなたは何に見えるだろうか?
【図2-1】
これは小学校の教科書にも出てくる有名なだまし絵の一つである。
答えをご存知の方も多いのではないかと思う。
これは、斜め後方を向いている若い婦人か、私たちから向かって左を向いた老婆の横顔である。
このだまし絵を知っている方は、ほとんど考えることなく答えを出せたと思う。
同じように図2-2はどのように見えるだろうか?
【図2-2】
この問題を研修で行うと大半の受講生は答えが出ない。つまり考えてくれるのである。
読者の方々も答えが出るまで是非考えて欲しい。答えがわからない方は正に今考えている状況にある。
おわかりになられたであろうか。答えはアルファベットの「LIFE」である。
脳科学者で有名な茂木健一郎氏は、「アハ」体験を提唱しているが、
この問題を知らなかった方で、考えて、答えがわかった方は非常に爽快な気分になったのではないか。
わからなくて悶々とした状況から、考えて、考えて、考え抜いて、解決策を導き出す-このような感覚は中高生の時に数学を解けたような感覚、テレビのクイズ番組で問題を解けた感覚と似ているだろう。
小さい時は、わからないことだらけだった為に、全ての人々がこのような感覚を沢山経験してきたのではないかと思う。年を重ねるにつれて、だんだん知識が増えることで、問題が出されてもまずは脳の記憶装置から「答え」を探し、当てはまればその答えを使う。わからなかったら、その時に初めて考え出す。大人になるにつれて「考えること」の喜びを忘れてしまっているのが現実ではないかと思うのである。
「LIFE」の問題を解けなかった方は、きっと「考える」ことの楽しさをしってもらったと思う。
考えることは、悩むこと・知ることは別物である。考えることとは人間を前向きにかつ脳みそを活性化してくれるものである。
本Blogでは極力皆さんと一緒に「考えて」いきたい。ぜひ考えることの「喜び」を共有したいと思う。
それでは、次章からいよいよ「ロジカルシンキング」について一緒に学んでいこう。

