見事なスタートを切った今年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。追加キャストが発表。その中に荒木村重役でトータス松本の名前があった。
彼の名前の登場で嫌な記憶が蘇った。それは彼がヒロインの父親を演じた朝ドラ「おちょやん」。
トータスはヒロインの破天荒な父親役。いつも娘を困らせるトラブルメーカー。でも、性格は真っ直ぐで憎めない男という設定。
こんな役を彼は演じた。一見、タイプにはまるキャストのように見えた。しかし、彼が役者ではないことを、明らかにした役だった。彼が登場するとドラマの流れがとまった。ヒロインを演じたのは、若手演技派、杉咲花だったので、この作品が成功作にならなかったのは、甘いキャスティングのせいだった。
このトラブルメーカーだけど、憎めない男というのは、簡単そうで難しい役。「男はつらいよ」の寅さん、なのだ。あれは渥美清という稀代の名優が演じたから、成り立った役。一見、簡単そうで難しい役なのだ。
役者は一つのシーンを演じるのに何パターンも演技を用意する。一つのパターンで演じ切ったのは高倉健と吉永小百合だと言われている。
これは主役だから。逆にブレないという意味。その代わりに何度NGが出ても、まったく同じ演技が出来たそう。
芸能プロダクション「イエローキャブ」の代表だった野田氏は、芸能界に入って一番最初についたいしだあゆみに「あなた台本読める?」と問われた。「もちろん文字は読めます」と答えたら「違う、脚本の意味が理解できるか」ということと叱られたそう。
トータスの演技は、台本を声を出して読んでいるだけ。しかし、俳優ではない彼に役者の演技を求めるのはコクな話。話題性を狙ったキャスティングをしてはダメだということ。
それは昨年の「べらぼう」で毎週のようにお笑いタレントを起用したことで証明済み。そのことでドラマが荒れ、視聴率も上がらなかった。
好調な大河。出来るだけトータス氏のシーンが少ないように祈るのみ。









