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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 写真家、林典子の写真展を銀座のソニーギャラリーで見た。アフガニスタンの女性たちを被写体にした写真展。

 

 

 アフガニスタンというと現在はタリバンの支配下。女性の人権は抑圧されている。

 

 

 林典子さんはもちろん女性なので、入国するのも困難なのか?と思っていたら、外国人は逆に入国しやすい環境なのだそうだ。(会場に、たまたま居合わせた新聞記者の方が教えてくれた)

 

 
 林典子の作品はアフガンの女性たちを「閉じ込められた」人間ではなく、当たり前の暮らしがある女性として捉えている。美しく伝統的なテキスタイルを背景に写るアフガン夫人たち。

 

 
 美しいがゆえに、背景を考えざるを得ない。でも、困難な環境になかにも希望はあるし、日常の生活はある。その撮影者の視点は優しいと感じる。

 

 吉永小百合が登山家、田部井淳子(映画の役名は、なぜか?多部純子)を演じた「てっぺんの向こうにあなたがいる」。


 映画は若い時のエベレストの登頂成功からスタートする。挑戦する時には注目されていなかったのに、帰国したら大騒動になっている。


 若き田部井淳子を演じたのは、のん。映画は、この若き時代のエピソードがかなりのボリューム。


 ポスターのクレジットの大きさでは、吉永小百合の半分だけど、実質的な主演はのん。


 田部井淳子を単なる成功者ではなく、妬まれたり、家族からも疎まれる存在として描いている。



「てっぺんの向こうにあなたがいる」★★★★☆


 吉永小百合の最近の映画の中ではベストの出来。でも、その勝因がのんだったというのは、ちょっと皮肉。


 田部井淳子は単独で登頂を成功させたことで、チームを組んだ仲間からは「なんであなたが単独で」と責められる。


 大きな注目を浴びてスターになったことも、仲間たちには「田部井さんだけ」と妬まれる。


 そんな田部井さんの苦悩を、のんが淡々と演じるのが魅力。


 さらに家庭では、母の名声に息子が反発。「田部井淳子の息子」といわれてしまうことに抵抗。


 そんな家族の苦悩もさらりと嫌味なく描かれているのも良かった。

 映画だけでなくエンタメ全域で豊富な知識があった作家、小林信彦。晩年は小説家よりもエッセイスト(週刊文春の連載などで)の面に脚光を浴びていた。

 

 しかし、90年代までは精力的に小説を発表。さらに映画化作品も多かった。(薬師丸ひろ子の「紳士同盟」横山やすしの「唐獅子株式会社」仲村トオルの「悲しい色やねん」など)

 

 そんな小林信彦の81年の小説「サモアン・サマーの悪夢」を読んだ。

 

 

 主人公は(小林信彦らしく)テレビプロデューサー。局内の抗争に巻き込まれて、局は辞めて、独立しているという設定。

 

 かつて付き合っていた女性がハワイで自殺。その真相を確かめるためにハワイに飛ぶという展開。

 

 そこに事件に絡む、怪しげな老人登場。戦争中は憲兵だったという設定。ハワイの不動産で財をなし、今はマウイ島の広大な豪邸で暮らしている。

 

 このあたりは昭和ならではの設定。70年代まではホノルルもこんな風だったのかと思いながら読み進めた。

 

 小林信彦らしいテレビプロデューサーという主人公の役割もお見事。やはり「知っている」の世界なので、描写が細かい。

 

 テレビでペリー・コモ・ショーが放映されていて、日本では見れない、などというエピソード。同時代なら「わかる!」という読者も多かっただろうし、そんな部分を共有している楽しみがあった。

 

 今なら?だろう。それが小林信彦の弱みでもあるし、ファンにはたまらない要素。

 

 

 北村匠海が主演したのは、歌舞伎町で詐欺を繰り返す男。半グレ程度のワルを演じた「愚か者の身分」。

 

「愚か者の身分」★★★★★

 

 朝ドラのやなせたかしとは180度違う役柄の北村匠海。彼が演じたタクヤは戸籍売買をしている。子分的な存在のマモルがいて、タクヤは弟のように世話している。

 

 しかし、ある陰謀に巻き込まれて、タクヤは追われる身になる。

 

 北村匠海のタクヤと林裕太演じるマモル、さらに綾野剛が演じた梶谷。それぞれオムニバス的に出会いとこれまでが描かれる。

 

 ディープな歌舞伎町のことは良く知らないので、やっぱり、こんな怖い場所なのだと感じた。(実態はもっとエグいかもだけど)

 

 北村匠海のタクヤも落ちたくて、落ちたわけではない。難病だった弟を助けるため。(両親のことは全然描かれない)マモルは母に捨てられ、異父の兄たちに虐待される。そのために八王子から新宿へやって来る。

 

 それぞれが事情を抱えて歌舞伎町で生きている。

 

 映画はそんな世界で、絆を持つ男たちを描く。ある意味キレイごと。でも、物語としては救いがある。

 

 結構、ハードな内容のアクション映画。後で調べたら監督は女性だった。(永田琴)


 別に女性だからという偏見はまったくないけど、このタイプの映画は珍しい。でも日本では、どんどん女性映画監督が活躍している。

 

 世界レベルでも、かなり多い。女性の社会進出が遅れていると揶揄されるけど、ほかの先進国より、映画のジャンルでは、確実に女性が定着している。

 

 そんなことを実感させてくれた歌舞伎町犯罪映画。

 

 

 

 「このミステリーがすごい」の2023年1位だった原作を映画化した「爆弾」。佐藤二郎扮する「スズキタゴサク」が都内に爆弾を仕掛ける。それが次々に爆発して都内は大混乱。

 

 彼の取調室で刑事を相手にとぼけたやりとりをする。しかし、なかなか彼は落ちなくて。



「爆弾」★★★★★

 

 原作は「このミス」1位なのだから良くできているのだろう。警察の内部事情も織り込んだ爆弾ドラマ。やはり、容疑者役を演じた佐藤二郎に尽きる。

 

 クセのある演技が好きな人にはたまらない俳優なのだろけど、個人的にはちょっと苦手。しかし、ハマると彼の個性が生きる。昨年の「あんのこと」のやさぐれた刑事は良かった。今回の適役。

 

 映画は彼の爆弾事件を背景に警察の内部のドラマが描かれる。染谷将太、伊藤沙莉、渡部篤郎、加藤雅也、夏川結衣、寛一郎、板東龍太、片岡千代助などベテランから若手まで多数の演技の質の高い俳優が揃う。

 

 原作通りなのかもしれないけど「野方署」という設定にニンマリ。新宿区に属する野方。だけど、中央部からは離れた住宅地。これが湾岸署とか原宿署、新宿署だったらメジャーすぎる。その辺のハズし感もいい具合。

 

 原作も知らなかったので、それほど期待値も高くなかった。でも2時間を超える映画なのに緊張感は途切れない。佐藤二郎は主演賞の有力候補。山田裕貴も助演賞なら有力。

 ディスクユニオンのサントラ盤の特価コーナーにあったのは、ジュリー・アンドリュースとベン・キングズレーの「王様と私」。



 このアルバム、どうやらコンサート形式で行われたものを録音したものらしい。オーケストラはハリウッド・ボウル・シンフォニーとクレジットされている。


 ライナーノーツには、この録音がどのような経過で行われたが記されていないのでわからない。


 しかし、ジュリー・アンドリュースのアンナ先生はナイスなキャスティング。「サウンド・オブ・ミュージック」「メリー・ポピンズ」とお堅い家庭教師役がうってつけのジュリー・アンドリュースにはピッタリの役。

 

 映画化した時のアンナ先生はデボラ・カー。画面的には威厳があってピッタリだったけど、歌は吹き替え。

 

 このベン・キングズレー&アンドリュースでの再映画化はあったかも。


 ジュリー・アンドリュースほど「ミュージカル女優」という言葉が似合う女優はいない。


 バーブラ・ストライサンドもミュージカル出身だけど、映画のキャリアとしては意外なほどにミュージカル映画は少ない。どちらかというと歌手のイメージが強い。


 その点アンドリュースは正統派。シンガーとしての資質もミュージカル向き。



 

 フランス=ベルギー映画「ナイト・コール」。舞台はブリュッセル。主人公は移民の男。彼はカギの解錠屋。携帯で注文を取り駆けつける。


 ある女から解錠の依頼が来る。解錠するには、前金、身分証提示が条件なのだが、女はすべて部屋の中だという。


 鍵を開けて廊下で待っていると、女は近くのATMで金を下ろすと去ってしまう。ならばと部屋を物色すると、部屋の持ち主の男が帰宅。


 「お前は誰?」と詰めよられ、格闘になる。そのはずみで男を殺してしまう。


 実はこの男の部屋にはマフィアに渡す金があり、女はそれを横取り。主人公の男は、マフィアに捕まってしまう。



「ナイト・コール」★★★★★


 上映時間は90分。いわゆるノンストップ映画。冒頭の事件から、マフィアに捕まるまで、あっという間。


 さらに、お金を取り戻すようにマフィアに命令される。知恵を使い、事件解決に立ち向かう。


 陰謀や警察の横暴など、物語展開はまったく無駄なく進む。


 無名の監督、キャストも顔を知ってる俳優は、マフィアの親分役のロマン・デュリスぐらい。


 こういうのは典型的な「拾いモノ」映画。


 実は観る前に、この映画を他の病院モノのフランス映画だと思っていた!まったく勘違いで観た映画。


 それが、B級傑作。だから、映画はやめられない!



 1993年のアカデミー賞でトム・ハンクスが2度目の主演男優賞を受賞した「フィラデルフィア」。


 監督は「羊たちの沈黙」でアカデミー賞監督賞を受賞したジョナサン・デミ。


 トム・ハンクスが演じたのはエイズに罹った弁護士。まだ、エイズへの偏見があった時代。彼をサポートする同業の弁護士にデンセル・ワシントン。名優同士の共演。


 サントラでは、もうすぐ、伝記映画が公開されるブルース・スプリングスティーン。彼が歌った「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」はアカデミー主題歌賞を受賞。話題になった。



 このサントラは80年代からの流行した、大物ミュージシャンな揃うコンピアルバム。


 スプリングスティーンの他にピーター・ガブリエル、ニール・ヤング、シャーデーからマリア・カラスまで。


 今、冷静にスプリングスティーンの楽曲を聴くと佳曲ではあるけど、スタンダードになるような仕上がりではない。

 

 アカデミー賞は時の流れに左右されがち、この映画、主題歌の高評価はエイズという、まだ禁断のテーマを取り上げた影響が強い。


 トム・ハンクスはゲイを演じたことに、今は後悔しているそう。ゲイ役はゲイの俳優に、という昨今の流れが影響しているよう。


 この考えには違和感を感じる。別にストレートの人がゲイを演じても問題などあるはずがない。

この考えに従えば、ゲイの俳優はゲイ役だけしか演じるべきではないという考えに繋がる。


 ならば殺人者役はどうする?俳優は自分ではない人を演じる。ならば、その考えは狭量ではないか?


 サントラとは関係ないけど。


 地味なおじさんが実は1流の殺し屋という設定の「ミスター・ノーバディ」。その続編「2」が公開。今回は家族を巻き込んだ展開になっている。

 

 主人公のハッチ。休暇に家族と共にじいさん(クリストファー・ロイド)の住む田舎のリゾートを訪れる。しかし、そこで騒動に巻き込まれる。小さなコミュニティを支配しているのはロシア系のマフィアのボス。演じるのはシャロン・ストーン。

 

 さて、彼女との対決は?


「ミスター・ノーバディ2」★★★☆☆


 基本的にB級アクション映画は好き。「1」には普通のおっさんの意外性があった。


 「2」になれば意外性だけでは勝負できなくて、今度は家族総力戦。それは悪くないけど、やっぱり悪役が!


 今回はロシア系のいかれた女ボス。演じるのはシャロン・ストーン。彼女がキャスティングしていたのは知らないで観た。


 なんか顔はシャロンぽいけど、ドッシリした体型の無名女優かと思って観ていた。エンドロールでシャロンとわかってビックリ。


 スターオーラがまったくない。でも、あえてキャスティングするなら、彼女の魅力をなんとか引き出す演出側の工夫はあるんじゃないかと。


 結局、最近のハリウッド映画って、その工夫がない。コミック映画で派手な見せ場だけ用意すれば客は入る、満足すると勘違いした結果。B級も雑になる。

 

 このB級の雰囲気が好きだけに、そんなところが残念。

 

 


 

 映画好きなので、音楽も映画から切り離せない。バーブラやジュディ・ガーランドのような演じる歌手ももちろん好き。


 基本欠かせないのはサントラ盤。最近は、こまめにディスクユニオンでサントラを漁っている。


 最近、買ったのは92年スパイク・リー監督作品「マルコムX」のサントラ。




 映画を観たのは、もう30年前。80年代後半から映画作家としてスパイク・リーのターニングポイントになった超大作。(上映時間はおよそ3時間半)。


 その大作の最後を締めたのはアレサ・フランクリン。彼女の印象が強かったので「マルコムX」の音楽はソウルというイメージだった。


 今回、サントラ盤を買って驚いたのは、ソウル色より、ジャズ色が濃かったこと。


 ライオネル・パンプトン、デューク・エリントン、ジョー・コントレーン、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドなど、ジャズ界の大御所が並んでいる。