日本で初めて行われたセクシャルハラスメントの裁判を題材にした「ファースト・ボイス」。主演の弁護士を演じるのは綾瀬はるか。原告のセクハラ被害者を演じるのはファーストサマーウイカ。
1989年に福岡で始まった実際の裁判をモデルにしている。
「ファースト・ボイス」★★★★☆
深刻な内容を含んだ裁判劇なのだけど、映画はやや喜劇調。これは映画の評価がわかれるポイント。
この映画のシーンの中に出てくるジョディ・フォスターが主演した「告発の行方」。この映画はレイプ裁判をシリアスに描いた作品。(ジョディ・フォスターはこれでアカデミー主演女優賞を獲得)
こちらの映画は主演の綾瀬はるかのキャラもあって、どこかのんびりしたテイスト。これは監督、前田哲のカラーなのだろう。前作「90歳何がめでたい」と同じ流れ。
小さな編集部を舞台に、女性編集者が「男関係にルーズ」と揶揄され、解雇されたという大まかな展開が事実に忠実。
今なら、そんなオヤジいるのかと思うけど、九州という土地柄も含め80年までは日本社会の意識なんてそんなものだったろう。
映画として感心したのは見事なほど80年代を再生していること。
今から、もう40年も前のこと。ある意味、時代劇みたいなもの。
やっかいなのは、シニアにとっては記憶が鮮明な時代。鮮明なだけに、嘘くさく見えればアウト。でも、この映画はその雰囲気を忠実に表現していた。
プリプリの「ダイヤモンド」渡辺美里「マイ・レボリューション」など当時のヒット曲の使い方もナイス。
裁判ものとしては、もう少しシリアスな部分があってもいい。それに、それでも、セクハラがなくなっていない現実。逆になんでもハラスメントと騒ぐ風潮へ目線など、題材のわりに社会性が薄いのはマイナス点。

