パリでウテレンパーのコンサートを見に行った時。そのコンサートは、パリの名門ギャバレー式シアター「フォリー・ベルジュール」で行われた。
かつてはモーリス・シャヴァリエやイブ・モンタンも舞台に立った老舗。チュップリンがパリに訪れた際にも、ここでショーを見たと自伝に書いている。
そんな場所でのコンサート。チケットのシステムが変わっていて、当日窓口で指定券をもらうというスタイルだった。4月の氷雨が降るパリ。劇場の前には長い列ができていた。
自分の真後ろには英語を話す3人組。中年の女性2人と男性。ああパリジャンではないんだなと思っただけだったが、次第に気になったのは会話の内容。
どうも映画の話をしているのだ。映画好きの多いパリ。カフェにいたりしても、こちらが日本人だと「北野武の新作はいつ公開するのか?」などと聞いてくる一般人もいるほどの土地。
最初は映画ファンかと思ったけど、どうも内容が単なる映画の話題ではなく、撮影の話になっていた。「クローネンバーグがカナダで撮影中に」なんて話が聞こえてきた。
もしかして?と思いお顔をこっそり覗くと、なんと、ジェレミー・アイアンズ。
え!こんな有名なオスカー俳優が一般人のように、雨に濡れながら列に並んでいるとは。それも自分の真後ろ。
海外のセレブは普通に街歩きしているとは聞くけど、まさか、こんな状況でお見かけするなんて思いもしなかった。
▲この作品でアカデミー賞主演男優賞
