女優スカーレット・ヨハンソンが監督デビューを飾った「エレノアってグレイト」。ある老人が友人の体験を自分と偽ってアウシュビッツからの生還者だと語る話。
「エレノアってグレイト」★★★★☆
これが、あのスカーレット・ヨハンソンが監督したのかと思うような地味な素材。彼女は出演していない。
しかし、これが手堅く良くまとまっていた。勝因は優れた脚本(トリー・ケイメン)と主演女優に96歳のジューン・スキップを迎えたこと。
特に主演のスキップは、なんでアカデミー賞の候補にならなかったのかと不思議に思うほどの適役。
彼女がついた嘘はユダヤ人にとっては嘘では済まされないような深刻な事実。だけど、彼女には悪意はない。この悪意のない嘘が許されるのか。
映画はこの複雑な問題をうまく処理している。実体験者の重みだけにこだわれば、それを語る人はどんどんいなくなる。結局はあたり継ぐことが大切という結論になる。
へんに真面目な映画にすれば重いだけの内容になるのに、お茶目なおばあちゃんを主人公に据えたことで、コメディとしても成立させている。スカーカレット、さすがに業界歴の長いベテラン。(子役のころから)映画を知り尽くしている。
