渋谷シネマヴェーラではプレストン・スタージェスの特集上映中。
1930年代から脚本家として活躍。40年からは監督にも進出。監督デビュー作でアカデミー賞脚本賞を獲得したハリウッドのレジェンド。
ただし、キャリアの後半は順調ではなく、一時は「忘れられた」存在だったとか。
そのスタージェスが42年に監督した「モーガンクリークの奇跡」を観た。
主演は「アニーよ銃をとれ」のベティ・ハットン。彼女が演じるのは軽薄な女。彼女が引き起こす騒動で、周りが振り回されるというコメディ。
戦中の1942年に製作された映画。その同時代を舞台にしている。
ベティ演じる女性、地元で行われる兵士の送別パーティーに行く。兵士たちは明日は戦地の身。ハメを外す、若い女性たちも大はしゃぎ。
ヒロインは朝帰り、アルコールで曖昧な記憶ながら、兵士と即席結婚したみたい。後日、妊娠していることもわかる。
でも、誰と結婚したのかも覚えていなくて。という展開。
こんな無茶な話を戦争進行中に製作するスタージェスのおふざけ心、すごい。日本では、盛んに戦気高揚映画が作られていた時代。
もっとも、アメリカでも、おふざけが過ぎると不評でスタージェスはパラマウントをクビになったそうだ。
それ以来、不遇な映画人生を送ったというスタージェス。でも、晩年になって、再評価。彼のセンスの良さが見直された。
この「モーガンクリーク」は、失敗作の烙印が押された作品。でも、話は無茶苦茶なのに、テンポが良くて、これぞスクリューコメディというような出来だった。

