国際的に評価を受けている韓国の映画監督・ホン・サンスの新作「自然は君に何を語るのか」。
主人公は30代のカップル。彼女を家まで送り届けるシーンから始まる。「家には誰もいないから、寄って行く?」との彼女の誘いに乗り、彼女に実家に入ると、そこに父親がいた。
父親は彼に会うのは初めて。交際していることも知らされていない。彼のことを知るためにも「ご飯でも一緒に!」と誘う。
彼と彼女の家族とのぎこちない一日が描かれる。
「自然は君に何を語るのか」★★★☆☆
いつもながらのホン・サンスの世界。彼氏は有名弁護士の子息。しかし、それを嫌って独立。詩人を目指して裕福ではない生活を送っている。
一日を過ごすうちに、この一家から「値踏みされる」という展開。
ホン・サンスのスタイルはフランスのエリック・ロメール風と言われる。何気ない日常のドラマが自然な演出で描かれる。
この作品を観て、ロメールとの決定的な違いを見つけた。それはロメールのドラマは徹底した個人主義のもとに作られた「個」の映画。
それに対し、ホン・サンス作品は、スタイルは似ているが、やはりアジア的な価値観の下にある集団主義的な映画。
昼には、不在だった母親も合流して夕食になる。酒がまわり本音をぶちまける。
母親はなんでオンボロ車に乗っているかと、彼に問いただす。(金がないからなのはわかっているのに)
姉はなんで裕福な父親を頼らないのかと迫る、(そんな父親に頼りたくないと何度も言っているのに)
そして最後に夫婦で、彼は坊ちゃんで苦労知らずで頼りないと評す。
こういうシーンを見ると韓国は日本よりも旧弊的な価値観にしばられているなと感じる。
サンスを評価するヨーロッパの人たちはどういう風に見て、彼を評価しているのかが気になった。
