現在BSで渡辺謙が主演した「独眼竜政宗」が再放送されている。脚本を担当したジェームス三木の訃報が伝えられた。脚本家なのにジェームス三木という名前なのは前職が歌手だったから。60年代にレコードデビューしたが売れず、クラブシンガーをしている最中に二足の草鞋で脚本家になった人。歌手→脚本家という経歴の人は珍しい。
80年代に朝ドラ「澪つくし」(85年)を大ヒットさせ、その勢いで大河ドラマに起用され87年「独眼竜政宗」も大ヒット。一流脚本家の仲間入りをした。その後、大河では「八代将軍吉宗」(95年)「葵徳川三代」(2000年)と3度起用された。
89年には監督作「善人の条件」を発表。地方を舞台にした政治話。この人は本質は硬派な人なのだと思った。
ジェームス三木の名前を意識したのは80年代初めの頃。田宮二郎主演の「白い滑走路」がヒットしたあと。ある業界筋の人と話していて「これからジェームス三木は売れっ子になる」と断言していた。その理由で、その人があげたのがジェームス三木のト書きが見事だというのだ。細かく演出に関わるようなト書きが書かれていたそう。普通なら、それは演出の邪魔だと思われそうだけど、そのト書きが適切で、演出家が、彼のト書のままに演出すればいい、と評価されているというのだ。
その言葉通り、ジェームス三木は一流脚本家の仲間入りをした。当時は向田邦子、倉本聰、山田太一など脚本家の名前でドラマが成立するような大物脚本家が君臨していた時代。そんな大物のひとりになったのだ。
順風だった脚本家人生に少しヒビが入ったのは女性スキャンダル。愛人手帳を作り、多くの愛人とのセックスライフを事細かく記録していたと暴露された。当時はその記述があまりのも微に入りだったと面白おかしく伝えられた。
それまでは元芸能人ということもありタレント的な活躍もしていたが、以降は顔出しすることはなくなった。それでも作品は残る。それが今再放送されている「独眼竜」。
百恵映画、聖子映画の脚本も担当。

