銀座のソニーイメージングギャラリーで現在開催されているのが長沢慎一郎の「Mary Had a Little Lamb」(メリーさんのひつじ)というタイトルの写真展。
今年、第49回木村伊兵衛写真賞の受賞作。テーマになっているのは小笠原に残る地下廃墟。実はそこはアメリカ占領時代(1945ー68)に核弾頭が保存されていた場所だったということ。
アメリカ軍はそれを「メリーさんのひつじ」と名付けた。それに由来するタイトル。写されているのは、その廃墟。沖縄同様に戦後アメリカの占領下に置かれた小笠原。その事実は沖縄ほど深刻に語られることはない。この小笠原諸島に近くには太平洋戦争の激戦地、硫黄島がある。沖縄に匹敵する負の歴史を背負わされた島に残る、負の証明。
写真家はそれを光輝く美しい建造物のように撮っている。その建造物が意味する重く、暗い背景を嘲笑うような美しさ。写真表現の意味を考えさせられる写真展。(5月8日まで)



