命が尽きる運命の人の元に出向く「終わりの鳥」。彼がやって来たら死ぬことは逃れられない。ある少女の元へやって来る死の使者。しかし、少女は彼と親しくなる。普通は登場しただけで忌み嫌われる存在なのに、彼女は彼に優しい。それでも彼女を死に至らせることは避けられない。彼女は『少しだけ待って』と「終わりの鳥」に懇願する。
「終わりの鳥」★★★★☆
死の使者に「ちょっと待って」とお願いするという展開が斬新。その少女、美人ではないけど、賢い女の子というのがいい。
彼女のお母さんは、なかなかにしたたかで、図々しい女という設定も悪くない。このお母さんのキャラクターのおかげで、涙の悲劇にはならない。死をテーマにしながらも、喜劇的な展開になる。
もともと、死ぬことをテーマにしているのに、実行するのが鳥だというのが、リアリティからかけ離れている。しかし、それが逆に映画的であったりする。
アイデアが詰まった映画。死という重い、暗い題材をテーマにしているのに、人間喜劇に仕立てあげている監督の手腕には驚く。
それに死は怖いものではなく、誰にでも訪れるもの。それを受け入れるには、生きた人の存在を忘れないでいることという論理に共感する。心の中で、思い続けることが大切なのだ。
