立川志の輔の文庫「旅まくら」を読んだ。落語会のまくらに「旅」の話をした部分を書き起こした文庫。
キューバ、インド、ローマ、イスタンブール、北朝鮮などの海外から高知、広島など国内まで。志の輔が体験したことを、落語会のまくらとして語っている。
巻末には仲良しの春風亭昇太と行ったメキシコ旅を二人で語っている。あとがきは嵐山光三郎。
結論からいえば、一番面白いのは、嵐山光三郎のあとがき。理由は明確。文章として書かれているから。志の輔の部分は語りを文に起こしているだけなので、現場で聞けば、それなりに笑いがとれる部分があるかもしれないけど、文として読むと、その面白みが伝わらない。
文中(会場爆笑)なんて書かれているけど、どこか可笑しいのか、いまいち伝わらない。今から30年以上前の話なので、常識のずれも大きい。
特に昇太と話している部分。90年代のメキシコ旅。当時はまだ飛行機で喫煙ができた時代だった。ヘビースモーカーの志の輔のチケットが、禁煙席だったので「料金払わない」と飛行機会社と揉めたとか。
当たり前のように語っているけど、当時だって、喫煙に関しては規制が厳しくなっていった時代。しかも、志の輔は、その禁煙席で喫煙したことを自慢気に語っている。これでは笑えない。
全体におじさんぽい独善さが目立つ。時代だからでは片付けられない、図々しさが気になった。 時代古いから笑えないのではない。もっと前の時代に書かれた山下清のヨーロッパの旅エッセイでは大いに笑わされた。
志の輔って、こんなキャラなんだと、ちょっとびっくり。語り起こしの難しさもあると思うけど、ユーモアって本質的なものだと思うので、やはり、こんなキャラの人なのだろうと少し引いた。
