24年映画は映画館で233「愛に乱暴」江口のりこの勢いで見せるダークヒロイン映画 | con-satoのブログ

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 吉田修一原作の映画「愛に乱暴」のヒロインは江口のりこ演じる主婦。夫を演じたのは小泉孝太郎。夫婦は微妙な関係になっている。次第にわかるのは夫には愛人がいること。

 江口演じる女はSNSで夫の愛人がアップする内容を逐一チェック。しかし、夫の前では知らぬふりをしている。

 同じ土地の別棟に住む姑とも、表面上では問題なく付き合っているけど、棘のある関係。それにはワケがあって、という展開。いかにも吉田修一らしい一筋縄ではいかない設定の物語。


「愛に乱暴」★★★★☆

 今年5本目の江口のりこの映画。そのうち主役が3作というのが、江口のりこの勢いを示している。この映画も彼女のパワーで見せる。演じるヒロインは結構、強引で嫌な女。その意味で、ゆかいな気持ちになれる映画ではない。

 夫役の小泉孝太郎はなかなか新鮮。今までの好青年とは違う、女関係にだらしない男。まるで東出昌大みたいな男。無自覚に女に手を出すモテ男。

 姑役で登場するのは風吹ジュン。個人的に大好きな女優さんなので、彼女が出てくるだけで点が甘くなる。最近はすっかりおばあちゃん役。でも、こんな素敵なおばあちゃんなんてなかなかいない。70代になっても、現役の女優さんでいること。意志を持って生きることの大切さを教えてくれる人。

 そんな3人で見せる映画。演出が少し過多なのは気になる。俳優さんがうまいので、演出は演技をそのまま写せば映画になる。原作を読んでいないので、原作の設定にあるのかどうか、わからないけど、近所の中国人がアクセントになっている。もう少し、こんな遊びがあると映画的な膨らみが出たのはないか?