今年も連日猛暑日で米が不作になったほど。そんな気候変動をテーマにしたフランス映画「ACIDE」。
ある日、酸性雨が降り、その雨に当たると人間も建物も溶けてしまう。その雨に当たらないように逃げ惑う人びとが描かれる。
「ACIDE/アシッド」★★★★☆
レビューを見ると酷評ばかり。パニック(ディザスター)映画なのに、家庭不和などのドラマに焦点が当たり過ぎで退屈というのが、主流な意見。
確かに、そうではあるけど、逆にそれが面白かった。単に酸性雨から逃げ惑うなら、単純過ぎる。
夫婦の不和、親子関係の不信、どれもが、自己中なのが、いかにもフランスらしくて笑える。
ギョーム・カネ演じる中年男。妻とは離婚。ひとり娘は妻と暮らしている。週末にパパのところへ来ると、自由放題なので、娘はパパっ子に。それも元妻は不満。この男には将来を誓ったフィアンセがいる。そのことは娘の不満のたね。
こうしてすれ違っている元・家族が、意図せずに一緒に逃げ惑うことになる。
この家族がお互いに自己主張が強いというのもフランス的。確かに後半の娘の態度の描写にはイラっとする。いい加減、事態を把握しろ、と。
でも、ああいうのもフランスなのだろうな。家族のドラマなのに、甘くならないのが、ハリウッド映画との違い。
予算がないから、小さな家族ドラマにしたという指摘は確かにある。でも、それが面白い部分だった。派手なアメリカ映画にはないフランス映画の魅力。
