ブラピ&クルーニー共演の「ウルフズ」突然の公開中止。ま楽しんで配信オンリーに逆戻り? | con-satoのブログ

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 ブラッド・ピットとジョージ・クルーニーが久しぶりに共演する映画「ウルフズ」(なんで複数形にするなら「ウルブズ」じゃないのだろう?)の劇場公開が突然中止になった。


 これは劇場公開→配信というパターンをAmazonスタジオが急遽見直したことに由来するらしい。それはこの夏公開したスカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタム共演の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」がコケたことにAmazonが不満だったからだそうだ。


 映画自体は久しぶりにハリウッドの王道を感じさせる良作だった。アニメやコミックに席巻されている今のアメリカの映画マーケットでは、このような正統派な映画が公開されても、観客がついてこれない現状がある。

 アニメはともかく、コミック・ヒーロー映画の乱発で観客は、あれが映画だと育ってしまっている。大人向けの良心作なんて、マーケットでは厳しい。(ワーナー&ユニバーサル&アンブリン共作の「ツイスターズ」はそれなりに大ヒットしているけど「インサイドヘッド2」や「デッドプール&ウルバリン」の1/3程度の売り上げ。日本では大コケしていて、2週目でTOP10から消えている)

 以降Amazonは劇場公開は見直して配信優先になるそうだ。これはコロナの時、ディズニーは配信優先に切り替えて戦略を失敗した時に重なるように見える。当時はNetflixに対抗する「Disney+」を盛り上げるために、配信を露骨に優先した。

 結果的にアカデミー賞に輝いた「ソウルフル・ワールド」も劇場で予告を流しながら、公開を見送った。(今年になった劇場公開)しかし、思うほどは配信契約者は伸びず、さらに映画館からの売上もなくなった。

 今はそれを撤回。「インサイド・ヘッド」は全米市場だけで6億ドルを超える収益。「デッドプール」もR指定にもかかわらず既に5億ドルを突破してディズニーはこの夏の覇者になっている。

 もともと映画会社だったディズニーと配信からスタートしたNetflixやアマゾンでは企業体質が違っているのかもしれない。一時はアカデミー賞の主要部門を制したNetflixも劇場用の映画では曲がり角。

 これから従来のスタジオが復活して王道のアメリカ映画を作れるのか。配信に飲まれていくのか。歴史を遡ればテレビが登場した時に映画界は揺れた。しかし、70年代以降、コッポラ、ルーカス、スピルバークの出現で復活した。映画会社の製作ノウハウは簡単に消えるものではないと思うし、その基本は映画館にあると思う。(あって欲しい)