村上春樹がマガジンハウスの「an・an」に連載したエッセイをまとめたエッセイ集「村上ラヂオ」。挿絵はマガジンハウスらしく大橋歩というのは村上春樹の趣味?指名なのだろう。
日常の周囲についてのエッセイ。格別「an・an 」読者を意識した風ではない。連載時には読者はどう受け取ったのだろうか。
編集者が読者層に合わせるというより、村上春樹が好きで、エッセイをまとめて出版したいという意向が強かったのではないか。まったくといっていいほど、女性向きのネタがないのだ。(「週刊朝日」の時は読者層をかなり意識した内容だったと思う)
村上春樹としては「an・an」というより(大橋歩さんが表紙を担当していた歴史のある)「平凡パンチ」ぽいノリで書かれているように、再読して痛感。
(新人の時に講談社の偉い編集者から「君には問題があるんだよ」といわれたエピソードとか、吉本隆明の「平凡パンチ」の記事なども、あまり「an・an」読者に関係のなさそうな話題)
それが村上春樹らしいといえば、らしい。
実は村上春樹については、小説も読んでいるけど、それほど好きではない。でもエッセイは抜群に面白い。これって作家には失礼な気もするけど。自分の実感。