24年映画は映画館で189「大きなる不在」魅力的な森山未來と藤竜也の共演。 | con-satoのブログ

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 森山未來と藤竜也が共演した「大いなる不在」。森山が演じるのは俳優。彼には長い間疎遠になっている父がいる。それが藤竜也。その父が認知症になっているのだ。再会してどのように関係性を構築するのか、という物語。


「大いなる不在」★★★☆☆

 先行されて参加した海外の映画祭などで、藤竜也が俳優賞を受賞している話題の映画。森山未來と藤竜也という年代を超えた魅力的な俳優の共演。それだけで「観る価値」ありの映画。

 話は「父帰る」のパターン。(先日のイギリス映画「スラッパー」も、このパターンの映画だった)

 藤竜也とは2作目だという、監督と俳優の絶対的な信頼が画面からも窺える。40代の監督と80代の俳優は、ある種、この映画の親子のような世代。その世代を超えた信頼感があって映画が成立しているのは(特に最近の)日本映画のいい部分。

 作品を選んで出演している森山未來も、いつもながら質の高い演技。芸能界的なストリームに流されることなく、自分のスタンスを保っているパフォーマー(俳優だけなく、ダンサーでもあるので。ご本人は「ダンサー」に重きがあるそう)。それが、彼のスタイル、かっこ良さにつながっている。

 少し残念なのは、勿体ぶった表現。時空のあっちへ行ったり、こっちへ行ったりと行き交う。これが、意味ありげだけど、意味があるかは微妙。

藤竜也が演じた大学教授のように、なんか偉そうなコーティング。ラストの森山未來の芝居シーンもくさい。そこは単なる痴呆の話に見せた方が話が深まるのに。