24年映画は映画館で171「90歳。何がめでたい」佐藤愛子のパワーが草笛光子と合体 | con-satoのブログ

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 佐藤愛子のベストセラー「90歳。何がめでたい」の誕生秘話を描く映画。実名で登場する佐藤愛子に草笛光子。担当編集者に唐沢寿明。


「90歳。何がめでたい」★★★★☆

 昔、姉が買っていた「NON-NO」に連載されていた佐藤愛子さんのエッセイを読んでいた。今から50年以上前のこと。

 当時は直木賞を獲った「戦いすんで、日が暮れて」を原作にしたドラマも放映されていて、ちょっとした佐藤愛子ブームだった。

 もちろん、お兄さんのサトウハチローさんもご活躍だった。

 その頃から、佐藤愛子のぶっちゃけなキャラが好きだったので「90歳。何がめでたい」がベストセラーになっても、驚くどころか、佐藤愛子らしいと感じた。

 大正生まれのお嬢さま。この人は、人を食ったキャラなんだけど、根っからのお嬢さんなので、乱暴な表現をしても、品格が崩れない。

 そんなお嬢さま&おばあさんの役に、草笛光子はぴったり。自身も90歳。スクリーンでは佐藤愛子が乗り移ったよう、草笛光子=佐藤愛子。

 監督は「老後の資金がありません」で、さんざん草笛光子をいじった前田哲。多分、草笛光子は「監督の好きにして」というスタンスだったのだろう。監督は監督で「草笛さんにおまかせします」だったと思う。相互の信頼関係が画面から伝わる。

 唐沢寿明は、時代遅れの編集者を好演。見た目が、ちょっと若いのは、減点なのだけど、昔は、この手の人いたなと思わせる。

 そんな人生讃歌がテンポよく喜劇にまとめられている。こんな風に年を取りたい!と思うけど、なかなか佐藤愛子のような元気はない。