24年映画は映画館で166「ディア・ファミリー」大泉洋の熱演と美術の素晴らしさ | con-satoのブログ

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 大泉洋が主演した「ディア・ファミリー」。大泉が演じたのは心臓病の娘のために人工心臓を作ろうと奔走する町工場の社長。元読売新聞の社会部部長だった清武英利が書いたノンフィクションが原作。


「ディア・ファミリー」★★★★☆

 週末映画ランキングで1位。それも納得のヒューマンドラマの秀作。驚くほど丁寧だなと思ったのは美術。冒頭、名古屋駅が出て来るが、今の2代前の名古屋駅。俯瞰のシーンになるが、駅の仕立てはもちろん、1台1台の車まで、時代に見合う車が並んでいる。もちろんCGを駆使しているのだろうけど、時代背景をきちんと描写しようとという製作態度は立派。

 その後のシーン、時代は移っていくけど、新幹線のシーンなど見事に懐かしいシーンが続く。それは、この物語を嘘にしないための丁寧な演出。

 物語は熱い家庭ドラマ。難病の娘のために全てを投げ打つ親の愛情が描かれる。それを阻む

医療制度という厚い壁も。

 そんな熱血な父親を大泉洋が好演。日本アカデミー賞なら優秀主演男優賞は確実だろう。妻を演じる菅野美穂ほか、病院サイドの光石研、村松北斗、徳島えりなど皆、好演。 

 結末は決して安易なハッピーエンドではなく、ほろ苦いものがあるのも、ドラマとしての真実味、重みにつながっている。