24年映画は映画館で155「美しき仕事」1998年のフランス映画が日本初公開 | con-satoのブログ

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 1998年のフランス映画「美しき仕事」が日本で初公開。監督はベルリン国際映画祭で監督賞、カンヌ映画祭ではグランプリ受賞歴のあるクレール・ドニ。

 世界の映画祭では「巨匠」という扱いの監督らしいのだが、恥ずかしながら、この監督の作品を拝見したことがない。その名声のきっかけになったのが本作だそうだ。


「美しき仕事」★★★★☆ 

 本国では25年前の作品でも、日本では「新作」。世界には数限りない監督が、それぞれの国で作品を作っているのだなと実感する。

 原作はメルビルの小説なのだそうだ。あの「白鯨」の文豪。物語は北アフリカ、ジブチ共和国海岸を舞台に外人部隊の男たちのドラマが描かれる。

 主演はドニ・ラヴアン。レオス・カラックスと組んだ「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」「ポンヌフの恋人たち」の(3作品共通の)アレックス。

 彼が新入りの兵隊に一方的に嫉妬する。そこで起こるドラマ。狭い社会で起こる感情を描く。

 監督はビジュアル優先。まるで、ラルフ・ローレンのモデルのような男たちが、常に上半身裸で訓練し、戯れる。

 そのビジュアル優先さの徹底ぶりが見どころ。へんにセンチメンタルにならずに、舞台になったジブチのように乾いた描き方。

 25年前の作品とは思えないほどフレッシュ。こんな映画が25年も日本未公開だったのだ。世界には、まだまだたくさんの映画がある。