大森立嗣監督の「湖の女たち」。原作は吉田修一。主演は福士蒼汰と松本まりか。老人介護施設での殺人。福士蒼汰演じる刑事は松本まりかを疑い、彼女を追う。
「湖の女たち」★★★★☆
ネットユーザーたちの評を見たら、結構、酷評。でも、個人的には好みの映画だった。決して万人向けの映画ではないと思うし、わかりやすいかといわれれば、そうではないけど、でも大森立嗣監督のセンスが自分には馴染む。これは完全に好みの世界。
久しぶりにスクリーンで見た福士蒼汰も悪くなかったけど、ヒロインの松本まりかがいい。22年の「夜、鳥たちが啼く」の得体の知れない女も良かったし、昨年の大河ドラマ「どうする家康」の女鼠役も良かった。30代後半になってヒロイン役に抜擢される注目の女優。この映画でも大森監督の期待が大きかったのだろう。立っているだけでエロい。
意外にも良かったのが犯人として疑われる財前直見。こんなに自然でうまい芝居ができるのだと思った。助演女優賞レベルの演技。
さらに、浅野忠信。中年の強引な刑事役。田舎のおっさんに成りきっている。
物語は背景に731部隊が出てくるなど、少し欲張り。原作にそういう設定があるのだろうか。あったとしてもその部分は削っても、この映画の主題には関係ないのではないかと感じた。それが惜しい。