24年映画は映画館で131「バワリイ」ラオール・ウオルシュの戦前の作品。 | con-satoのブログ

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 渋谷シネマヴェーラで特集上映されている「ラオール・ウォルシュを観て死ね!」。蓮實重彦監修。その中の作品1933年の「バワリイ」を観た。


 ニューヨークの下町バワリイで覇権争いをするウォーレス・ベアリーとジョージ・ラフトの主演。ふたりの間に入る悪ガキに「チャンプ」の名子役ジャッキー・クーパー。


「バワリイ」★★★★☆

 蓮實重彦の影響なのか、渋谷のシネマヴェーラにしては若い観客が多かった。

 映画はウォルシュらしいヤクザな男たちの話。昔のお話なので、そこには暴力もあれば人情も仁義もある。

 それが戦前映画なので、ノスタルジーに繋がる。ウォルシュの演出は余裕しゃくしゃくで、やんわりとしたコメディタッチ。

 リアルにヤクザなハリウッド・スター、ジョージ・ラフト。やはり、ここでも悪の魅力。安藤昇のハリウッド版なホンモノぶり。でも、ラフトも、この時代はまだ若い。

 解説では中国人差別がヒドいと書かれていたけど、この時代なら、あの程度は当たり前。今の基準で見てはいけないと思う。

 最近の傾向は、今の基準で、物事の良し悪しを白、黒と判断するけど、時代が変われば、価値も違う。それは、それとして理解することも必要。

 その意味で19世紀末のNYの下町を舞台にしたヤクザな人情劇はなかなかに面白かった。

 ラストがいきなり愛国心バリバリなのも時代か?