24年映画は映画館で99「秒速5センチメートル」新海誠の成功への分岐点 | con-satoのブログ

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 新海誠の2007年の「秒速5センチメートル」を再公開している川崎チネチッタで観た。テレビ放映は見ているが、劇場で観たのは初めて。

 主人公は高校生。中学の時に、初恋の相手が転校してしまう。栃木に住む彼女と世田谷の祖師ヶ谷大蔵に住む彼。しかし、彼も鹿児島に引っ越すことになる。遠くに引っ越す前に、彼女の住んでいる栃木へ行くが、その日は大雪で電車が思うようには走ってくれない、という話が1話。

 2話は種子島での高校生活。地元の女の子が彼に思いを寄せる。しかし、彼の心の中には初恋の女の子がいて、という話。

 最後は大人になってから、東京で働くようになる男の子。しかし、仕事に馴染まず仕事を辞めてしまう。春のある日に小田急線の踏切で、ある女の子とすれ違う。彼女は?


「秒速5センチメートル」★★★★☆

 チネチッタの大きなスクリーンで見て良かった。今こうして観ると、その後「言の葉」を経て「君の名は。」で大ブレイクする新海誠の分岐点になった作品だと思える。

 主題歌は山﨑まさよし「One More Time,One More Chance」。このインストバージョンも劇中何度も流れて、主人公たちのキュンとした初恋物語を盛り上げる。

 これは「言の葉」の「RAIN」に通じる。(この秦基博も山崎まさよしも同じ事務所)それが「君の名は。」の「前前前世」に繋がっている。

 男の子と女の子のすれ違う切なさが物語のベースになるのも同じ。もちろん新宿が重要な舞台になっている。

 「雲の向こう」では、少し感傷過多だった表現も、これ以降抑制されている。それが却って、切なさに繋がるドラマ構成。傑作への確実なステップを作った記念碑のような作品。