1昨年の「ケイコ」で多くの映画賞を受賞した監督、三宅唱の新作「夜明けのすべて」。主演は松村北斗、上白石萌音。二人は会社の同僚。城南の町工場に勤めているのには事情があってという話。
「夜明けのすべて」★★★★☆
松村北斗はパニック障害、上白石萌音はPMSという疾患を抱えている。光石研演じる社長はその辺の事情を知った上で、彼らを雇用している。
東京の城南、大田区あたりの町工場が舞台。原作は瀬尾まいこ、なので文章的にはかなり繊細にこの病気を描いているのだろうなと想像した。
主演の二人は病を抱えながら、社会に溶け込んでいきたいという姿を素直に表現している。町工場の人たちの優しさもいい。必要以上には優しくなく、ただ外から見守っている。
映画はテーマがテーマだけに、静かに進んでいく。少し丁寧過ぎるかな?と感じた。でも、こういう精神的な病理を描くのは、なかなか難いし、丁寧に扱うべきだとは思う。
三宅唱の演出。「ケイコ」も障害を持った主人公だったけど、ケイコの場合はフィジカルな障害。この映画はメンタルの問題なので、ケイコほどの「映画的」な躍動感はなく、淡々と進む。映画的という意味ではインパクトがなかった。
人気俳優をキャスティングしているので、そのインパクトのなさを補えるのか、それが商業的な成功のポイントになるだろう。
