24年映画は映画館で38「罪と悪」今年のベスト10候補の犯罪映画の秀作 | con-satoのブログ

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 幼い時に起こった殺人事件を背景に20年後のドラマを描く「罪と悪」。主人公を演じるのは高良健吾、大東駿介、石田卓也の3人。

 高良健吾は殺人事件で罪を背負った青年。今は地元に戻り、ヤンキーたちが犯罪に走らないようにサポートしている。

 大東駿介は子供の時は優等生。大人になると父親の職業だった刑事になって地元に戻っている。

 石田卓也は地元の農業者で地道に暮らしている。

 もちろん3人にとって、幼ない時の殺人事件は重い記憶。忘れたいけど、忘れることのできない出来事。

 そんな地方の街で事件が起こる。警察やヤクザなどを巻き込んだ事件に発展する。そこに殺人事件が発生。それが彼らを20年前に引き戻す。

「罪と悪」★★★★☆

 地方の街の閉塞感を活かした物語。主役の3人に加え、警察の重鎮役に椎名桔平、ヤクザの親分に村上淳、それに佐藤浩一が特別出演。

 監督・脚本は、この作品がデビューの齋藤勇起。自分でオリジナルを書き、それを初監督したという、そのパッションがすごい。映画に、その監督の熱を感じる、あつい映画に仕上がっている。

 少年時代の犯罪が大人になった男たちに影響するという構図はイーストウッドの「ミスティック・リバー」と同じ。街に流れる川が大きな舞台になるのも同じ、でも、そのリスペクトは、見事な換骨奪胎に仕上がっている。

 高良健吾、大東俊介共に熱演。石田卓也は久しぶりだけど、いい面がまえになっている。

 だたし「ミッスティック」を思い出してしまうとショーン・ペンやティム・ロビンスのような演技のレベルじゃないなと思ってしまう。比べるべきではないと思うけど、観終わった後、ペンやロビンスのダイナミックかつ繊細な演技が頭をよぎった。

 それでも、今年の日本映画を代表する作品。特にオリジナル脚本作品を映像化するのが難しい時代。それを初監督した監督には喝采したい。