24年映画は映画館で36「むかしの歌」明治初期の船場を舞台にした森本薫脚本劇。 | con-satoのブログ

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 早稲田松竹で観た「むかしの歌」。監督は石田民三。戦前に活躍した人。得意な分野は花街ものだったそうだ。失礼ながら名前も知らない監督さん。その人が昭和14年に監督した映画を見た。


 舞台は大阪の船場。現在NHKで放映されている時代劇も船場が舞台。商いの街、大阪。その中心になった船場は物語の宝庫。商売の浮き沈みがドラマチックに展開できる。

 この映画は明治になってしばらくした時期を舞台にしている。脚本は「女の一生」で有名な劇作家の森本薫。船場のおきゃんなお嬢さんが知る出生の秘密。

 戦後テレビドラマ「おやじ太鼓」などに主演した進藤英太郎が父親役。没落してゆく船場の主人役。若き頑固親父の姿に心が和む。しかし、この船場の親父は一発逆転を狙って薩摩に大金を貸すが、結果的に大損して、没落していく。

 そんな悲劇と勝ち気なお嬢様の成長物語が混在する手腕は森本脚本の力だろうか。「女の一生」にも通じる意志をしっかりと持ったヒロインなのだ。