24年映画は映画館で33「サイレント・ラブ」山田涼介&浜辺美波ナイスなのに監督がヘボで? | con-satoのブログ

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 山田涼介&浜辺美波共演のラブストーリー「サイレントラブ」。監督は「ミッドナイト・スワン」の内田英治。横浜を舞台に、お互いに肉体的な障害がある、身分違いの二人のラブストーリー。

「サイレントラブ」★★☆☆☆

 内田英治の脚本、監督作。つまり、彼の世界観が反映されている。これが「ミッドナイト・スワン」と同じようにチープ。

 この人、こういう人なんだろな。スワンではバレエ、この映画ではヒロインがピアニスト。バレエもピアノも、ヒロインの取り組み方がゆるい。これは監督の芸術観の問題だと思う。そんなに簡単にプリマドンナや一流ピアニストになれるものではない。

 さらに、ピアニストを主人公にした日本映画にありがちな残念な描写。コンサート・シーンになると玄関に祝い花が並ぶ。あれは芸能界的感覚で、クラシック界のそれでない。

 もし、サントリーホールのロビーに祝い花が並んでいたら、その音楽家は、正統派というより、芸能寄りの人(例えば高島ちさ子のような)だと認識されるはず。(小澤征爾の会場では考えられない!)

 救いは山田涼介、浜辺美波という若手ながら丁寧な演技のできる二人。山田くんの役は、横浜の元不良青年。喧嘩で相手を刺して服役した過去がある。その喧嘩で喉を刺されて声を失っている。美波ちゃんは、ピアニストを目指す令嬢。

 山田くんはヒロインの通う音楽大学の用務員。屋上で自殺をしようとしたヒロインを助ける。

 目の見えないヒロインに恋心を寄せているが、身分違いを自覚しているので、自分もピアニストだと嘘をいう。ピアニストであることを示すために野村周平演じる音楽家に、高額な金を払って代理で弾いてもらう。

 いくら目が見えなくなって間がないとはいえ、このヒロインに山田くんがつきまとう気配をまったく感じない描写にも戸惑う。目が見えなくなれば、他の感覚はより鋭くなるのではないか。

 彼女が山田くんや野村くんの手を何度も触るシーンがあるが、二人の違いを見破れないなど、いちいちの描写が雑。

 「ミッドナイト」はどうして、あの高評価?と思うほど雑な映画だった。この映画は、その意味で同じく雑な映画。