昭和では子供も知っていた「超」有名写真家、篠山紀信の訃報。 | con-satoのブログ

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 写真家、篠山紀信さんが亡くなった。83歳。昔なら「大往生」と言われるような年齢だけど、今なら、まだ若い部類になるのだろうか。

 しかし、篠山紀信の実績は昭和で終わっているように思える。昭和のトップアイドルは篠山紀信に撮られることが、頂上にたどり着いた証だった。


 昭和40年代は「明星」が主たる舞台だった。のちに夫人になった南沙織。昭和最後のスーパースター山口百恵など、ほとんどのジャケット写真を担当したのは篠山紀信だった。のちに女性専科になっていく篠山紀信だけど、明星時代は郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹なども撮影していた。野口五郎は19歳の時、篠山の撮影現場で「まだ、アイドル誌をやっているの?」と言われ「もう、そんな年じゃないんだ」と悟ったと語っていた。


 昭和50年代には主たる舞台は「GORO」に移り、セクシーな写真なら篠山紀信という存在になった。しかし、篠山紀信撮影=トップアイドルというのは宮沢りえ、松田聖子までだったと思う。小泉今日子、中森明菜には、それほど篠山カラーがない。(百恵、聖子は篠山撮影の写真集がある。もちろん、りえは「サンタフェ」)

 この辺りまでが篠山紀信の全盛期だった。以降は「篠山紀信に撮られる」ということがイベント化して、作品としての評価、存在は弱まった。

 「バルテュス」や「三島由紀夫の家」などアート寄りの作品も後年撮っているが、それほど写真作品として意味があるとは思えなかった。

 写真が輝いていた時代。そんな時代の先頭を行きた写真家。昭和の時代。大人も子供も篠山紀信という名前を知っていた。その意味では写真界を超えたスターだった。