ディスクユニオンでワンコインで買ったのは松任谷由実1985年のアルバム「DA・DI・DA」。80年代から90年代までセールス的には絶好調。出せば1位は当たり前だった。
このアルバムはそんな最中の85年11月に17枚目のオリジナルアルバムとしてリリースされている。
この時期からニューアルバムのリリースは年末が恒例になっている。
そんな充実時期が納得の完成度の高いアルバム。タイトルには意味はないらしく、この言葉は1曲目に収録している「もう愛は始まらない」の歌詞に収められている。
この時期のユーミンのアルバムはタイアップ曲がほとんど。このアルバムの究極のタイアップ曲はJRのキャンペーンソング「シンデレラ・エクスプレス」。
遠距離恋愛をテーマにした楽曲。この年代、遠距離恋愛は若い人にとっては切ない日常だった。まだ、就職することは、終身会社で働くことを意味していた。会社の先輩も深夜バスや新幹線を駆使して遠距離を通っていた。金曜日の夜の会議が長くなると、イライラを隠せない先輩の顔が思い浮かぶ。
そんな風俗を見事にラブソングに昇華させたユーミン全盛期の手腕には喝采!
収録曲は9曲。このすべてが優れている。その年のレコード大賞最優秀アルバム賞受賞も納得のユーミン・ワールド。