橋田寿賀子、夫との別れを描く実録的ドラマ「妻が夫をおくるとき」の泣きどころ | con-satoのブログ

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 橋田寿賀子が1989年に体験した夫との死別をドラマにした「妻が夫をおくるとき」。その夫が亡くなって20年以上の月日が経った2012年7月に単発ドラマとして放映された作品が先日BS11で放映された。


 夫はTBS社員だった岩崎嘉一氏。橋田寿賀子とはドラマで組んだりはしていない。お互いの仕事は仕事として尊重して共栄して生きた夫婦。

 その夫がまだ働き盛りの50代で癌になる。妻は売れっ子のシナリオライターなので忙しい。しかも、その時は大河ドラマを執筆中だった。

 そんなつらい別れを実名で描いたドラマ。実名にこだわったのが、夫への思いを大切にしたいという橋田寿賀子の悲痛な思いの現れだろう。

 夫を演じるのは大杉漣。橋田役には岸本加世子。他に橋田ドラマの常連、泉ピン子。さらに小泉孝太郎、神田正輝、薬師丸ひろ子など。

 石井ふく子とTBSで組んだ橋田寿賀子。しかし脚本家として注目を集めたのはNHKドラマ「となりの芝生」。以降、朝ドラ、大河とNHKとは縁深く付き合う。しかし、ある時、NHKのスタッフがTBSの悪口を言った時、怒って「もうNHK」とは仕事をしない」と言ったと自分で語っていた。「仮にも私の夫はTBS勤めなのに」と。

 確かに95年の「春よ来い」以来NHKとは組んでいない。

 ドラマは中年の純愛物語だった。主演の二人はモデルになった二人とは容姿がまったく異なるが見ているうちに、岸本加世子は橋田壽賀子に見えてきた。

 やはり、このドラマが心を打つのは、固有名詞を実名にしたこと。大河ドラマ「春日局」の脚本まで登場する。変な仮名じゃないので、ストレートに訴えかけるのだ。