24年映画は映画館で1「ポトフ」祝トラン・アン・ユン復活!のおいしい映画 | con-satoのブログ

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 24年が始まった。今年も映画は映画館で観ることを基本(配信会社とは契約もしていないので)で映画館に通いたい。今時は多くの人が配信で観るのが普通なのだろけど、自分にとっては映画は、わざわざ劇場まで足を運んで、あの黒闇の中で観ることで完結するのだ。

 今年の初めての映画はトラン・アン・ユン監督の「ポトフ」。19世紀フランスの片田舎で食を追求した男と料理人の女の話。タイトルになっている「ポトフ」はもちろんフランスの家庭煮込み料理。家庭料理の代表のようなシンプルな料理。それを皇太子に提供しようとするお話。


「ポトフ」★★★★☆

 80年代「青いパパイヤの香り」「シクロ」などで日本でも人気の高かったベトナム系フランス国籍の監督トラン・アン・ユン。しかし、2000年以降は成功作に恵まれなくなる。2011年には日本へ招聘されて、村上春樹のベストセラー「ノルウェイの森」を監督。しかし、これも決して成功とは言い難い結果だった。このままフェードアウトしてしまうのかと案じていたけど、見事に復活。この映画でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞している。

 初期の代表作が自分の出自にまつわるアジアの話だったのに、この映画は完全なるフランスの香りたつフランス映画。

 主演の料理人はジュリエット・ビノッシュ。美食家にはブノワ・ジマベルというフランスの2大スターの共演。でも本当の主役は料理。フランス人って、本当に食べることとおしゃべりすること(これには愛を囁くことも含まれる)が大好き。そんなフランス人気質を見事な物語に収めている正統派フランス映画。


 蛇足・実はパリのメトロで今から20年ぐら前に監督に出会ったことがある。フランス人の友人を通訳に監督とメトロ3駅分ぐらいお話することができた。「僕、日本では人気あるんだよ」と言っていたのが印象的。映画そのもの柔らかなお人柄だった。