新宿ケイズシネマで開催している「台湾傑作映画祭」。そこで再会したのが1988年日本公開(製作は85年)の候孝賢監督作品「童年往時・時の流れ」。まだバブル経済の影響が残る88年の冬に六本木にあったオシャレな映画館シネヴィヴァンで観た。それ以来の35年ぶりの再会。
「童年往時・時の流れ」★★★★★
当時「台湾ニューウェーブ」と讃えられたムーブメントを代表する1本。候監督のことをこの映画で知った。本人は意識していないと言っていたが、日本では小津タッチと言われていた。
主人公の住む家が、日本統治の名残を残す畳のある日本家屋だということも、小津タッチに見える。
副題に「時の流れ」とあるように、時は画面ではゆっくりと流れていく。50年代の台湾にタイムスリップした気分。
この映画をきっかけに台湾カルチャーにはまり、台湾通いが始まった。その意味でも個人的にも意味深い作品。
あれから35年も流れたとは思えないほどの新鮮さ。