名盤「ストリート・オブ・ファイヤー」サントラ盤を聴き想い出す1984年の夏。 | con-satoのブログ

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 84年の夏に公開された「ストリート・オブ・ファイヤー」のサントラ盤をディスクユニオンで購入。本当に、今さらなんだけど、何故か、この名盤を手にすることがなかった。

 映画は公開当時、何度も映画館で観た。当時ビデオはあったけど、ソフトとしては高かったので、好きな映画は映画館でリピートが当たり前だった。


 78年の「サタデー・ナイト・フィバー」以降、サントラ盤がメガヒットする時代が始まった。「フラッシュダンス」「トップガン」「フットルース」。

 さまざまなアーティストのコンピアルバム。シングルカットされ、ヒットチャートを席巻して、アルバムはメガヒットというパターンが80年代まで続いた。

 この「ストリート・オブ・ファイヤー」はその流れをくむ作品なのだけど、一般的に大ヒットした映画ではない。

 好きな人は何度も繰り返し行って、口コミでカルトになったタイプの作品。何と「キネ旬」では、その年の読者選出の洋画ベスト1。

 個人的には、あまり幸せな時期ではなかった。高田馬場の安アパートに一人暮らし。仕事は食べるためにしている、そんな空虚さを抱えていた時期。

 楽しみは週末映画を観ること。高田馬場から自転車に乗って新宿に出て、土曜日のレイトショーを観たりしていた。

 この「ストリート・オブ・ファイヤー」の84年の夏は、昼間は午前中から神宮プールで泳ぎ、やや遅めのランチを新宿ですませ、映画を観るというパターンを繰り返していた。

 このサントラを聴くと、そんな20代のシーンが鮮やかに思い出される。それにしても、このサントラ名曲ばかり。

 オープニングの「NOWHERE FAST」からダン・ハートマンの「I CAN DREAM ABOUT YOU」アカペラの「COUNTDOWN TO LOVE」などなど。

 こんなにこの映画が好きなのに、サントラ盤を買わなかったのは、レコードが高かったこともあるが、当時は街の中に音楽が溢れていたから。

 「サタデー・ナイト・フィバー」も「フラッシュダンス」も「トップガン」も、わざわざレコードを買わなくても、街から音楽が流れて来ていた。そんな時代だったのだ。

 40年の時を経て、このサントラを聴き、鮮やかに思い出す84年の夏のきらめき。自転車から見た、神宮から新宿への道の光景。映画を観たあと新大久保の食堂で食べた盛り盛りのフライ定食。お金はないし、淋しさを抱えながらも、楽しんだ夏だった。