神保町にある岩波ホール。フランス映画社が世界から名作を集めた「エキプ・ド・シネマ」シリーズのメイン館だった映画館。昨日のニュースで今年の7月に閉館することが決まったというニュースが報道された。
いわゆるアート・ミニシアターの元祖的な存在。インドのサタジット・レイ監督やスウェーデンのイングマール・ベルイマン監督、ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督、ギリシャのテオ・アンゲロプロス監督など、世界各国の監督の秀作を上映していた。
しかし、個人的に、この映画館が好きかといえば苦手な場所だった。優れた映画を上映しているのは理解しているけど、まるで学校の「鑑賞教室」に来たような畏まった気分になった。
昨年、上映した「ブータン山の教室」も観たいと思っていたけど、岩波ということで二の足を踏んでいた。なぜか銀座のシネスイッチにムーブオーバーされて、こちらで観た。昨年の外国映画を代表する秀作だったので、観て良かったと思ったけど、あのまま岩波だけで上映していたら観る機会がなかったかも。
神保町に10年以上オフィスがあった時代も、岩波の前を通るし、その岩波ビルに入っていた凸版印刷に用事もあったけど、なぜか岩波ホールには足が向かなかった。
映画は娯楽と思っているので、あのホールの厳粛な雰囲気も、高野悦子さんの立派すぎる映画への考えも、堅苦しいと思ってしまっていた。54年の歴史は立派だと思うし、映画史にとっては重要な映画館だったと思うけど、不思議なほど感慨がないのだ。

