変な日本人が登場する「ティファニーで朝食を」。今なら日本上映禁止? | con-satoのブログ

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 オードリー・ヘップバーンの代表作の1 本とされる「ティファニーで朝食を」。原作はカポーティ。1961年の公開作品。
 オードリーが演じたのはNYの高級娼婦。今なら娼婦が主人公の映画なんて考えられないのだろうか。(「プリティ・ウーマン」のジュリア・ロバーツはもっと低級なハリウッドの街娼だった)
 いかにせん60年前の映画なので(かつアバウトなブレイク・エドワーズの作品)今見るとおかしな描写もたくさんある。
 日本人にとって一番違和感を感じるのは、同じアパートの日本人の住人の描写。ユニオシという名前もヘンだけど、ミッキー・ルーニーの演じる日本人像が笑えるほどヘン。メガネに出っ歯。当時の平均的なアメリカ人の日本人のイメージなんてそんなものだろう。
 これに先出つ1956年の「8月十五夜の茶屋」では名優マーロン・ブラントは目を極端に小さくしたメイクで日本人サニキを演じている。当時のハリウッドの意識なんてそんなもの。
 今、それを見ても、怒る気にはなれない。人種間の理解なんて、そんなもの。BLMで立ち上がった黒人だってアジア人に差別感情を持っている人もいるだろうし、白人ならもっと、その比率は高いと思う。
 差別は悪だけど、そういう現実があるのは事実。60年前の映画で日本人がヘンな日本人になると怒るより、同じ年には坂本九の「SUKIYAKI」が日本語で歌われ大ヒットしたことを喜びたい。
それで、簡単に相互理解に至ったとは思えないけど、ささやかな前進になったのではないか。