アカデミー賞、有力との声が高い「スリー・ビルボード」が早くも日本公開。アカデミー賞より先に発表されたゴールデン・グローブ賞では、最多4部門を制した話題作。娘を殺されたフランシス・マクドーマンド演じる母親が、町のビルボードに意見広告を載せたことによる波紋を描く。日本では、ちょっと想像できないほどコンサバなアメリカ中西部。そんな田舎町でキッパリと自己主張する力強い母親をフランシス・マクドーマンドが、この上なく痛快に演じる。やはり、中西部の女性を演じた「ファーゴ」でアカデミー賞を獲った彼女らしい質の高い演技。彼女のキャラ、結構ゲスなのだが、芯は通っている。それが下品にならない、それは、マクドーマンドの演技のたまもの。もし、この役を彼女が演じていなけば、まったく違う映画になっていただろう。作品と役柄が一体になっているという意味では映画史に記憶される役。(マクドーマンドがアカデミー賞を受賞した「ファーゴ」のように)世の中には、圧倒的に「うまい」という俳優がいるのだ。もう、ひとつ、この映画の魅力。それは、今のトランプのアメリカが垣間見れること。アメリカの普通の市民は、この映画に出てくるウディ・ハレルソン演じる警官のような人がスタンダード。頭ではオバマを理解しても、本能では、トランプに惹かれる。そんなアメリカの本音が透けて見える。今年必見の映画。
監督はマーチン・マクドーナー。英国の劇作家の出。この映画の国籍は英国というのは驚き。
