中国映画の名作「山の郵便配達」を見て思う、失われし素朴さ | con-satoのブログ

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「午前10時の映画祭」で1999年の中国映画「山の郵便配達」を観た。

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舞台は1980年代初頭の中国山間部。映画から20年前の設定。その山間部を3日かけて徒歩で郵便配達をする親子の話。中国社会の激しい変化は、多分20年前の事でも昔の出来事になっていたのだろう、画面にはノスタルジーな雰囲気が漂う。その厳しい山間部を親子を人々を訪ねて郵便物を配る。山間部の人々には彼らは待っている人たちがいる。単に郵便を配達するだけでなく彼らの人生の1部になっている様子を映画は丁寧に描いている。この映画の舞台から35年も経った今は、きっと、この山岳部も面影もないだろう。田舎の素朴さなど忘れ去られてしまっているだろう。この映画に描かれる中国人は、効率などと無関係に生きている。まるで、昔の日本人みたい。今でも日本には職人気質がある。仕事に向かう時に効率ばかりではなく、プライドを持つことを大事に思う心。この映画の主人公には(中国人には珍しく)そのプライドがある。貧しくとも、誇りを持って生きる。そんなアジア的な美意識。今に中国にはほとんどなくなったしまっているであろう生き方。そんな失われた素朴さの中にある美しさを見せてくれた映画。